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極微弱遅延発光分光による皮膚酸化ストレス評価法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K12630
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分90110:生体医工学関連
研究機関東北工業大学

研究代表者

小林 正樹  東北工業大学, 工学部, 教授 (90332981)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード遅延発光 / バイオフォトン / 分光 / 皮膚 / 酸化ストレス
研究開始時の研究の概要

皮膚に光を照射すると極微弱な遅延発光を生ずる。その発光には,皮膚に内在する生体色素を起点とする光増感反応と,その過程で発生する活性酸素が関与していると想定されている。観測される現象は単純であるが,関与する分子種が多岐にわたることからその詳細なメカニズムは不明である。本課題では,光増感剤として作用する生体分子,励起種生成に至るメカニズム及び発光分子種を,極微弱発光の同時多波長時間分解分光により同定し,酸化ストレスと遅延発光の関連を解明する。これにより,光老化の原因となる皮膚酸化ストレスを簡便かつ安全に非侵襲計測する技術の確立を目指す。

研究実績の概要

皮膚に光を照射すると,長寿命な極微弱発光(遅延発光)が観測される。日常浴びる程度の弱い光であっても生じる発光であり,皮膚組織の蛍光性色素分子による光増感反応,及びその過程で生成する活性酸素種が関与しているものと想定されている。しかし発光に至る過程は複雑多様で,最終励起分子を含め詳細は不明である。本研究は,遅延発光のメカニズムを,発光時系列解析及び同時多波長分光により同定し,活性酸素種の関与,さらに皮膚酸化ストレスとの関連を明らかにすることを目的とする。
令和5年度は,予定外の研究実施場所の移転が必要となったため,年度前半はこれまでに試作した極微弱遅延発光高感度分光計測システム及び発光時系列解析用高安定フォトンカウンティングシステム等の実験装置の移設作業を行い,装置の分解・立ち上げ再調整のために時間を費やした。その後,年度後半からはそれらの装置を用いてヒト皮膚を対象としたin vivo 計測による実験と発光メカニズム解析を行った。ヒト皮膚のin vivo遅延発光計測を行うための光照射機構を含む装置系の改修を行った上で,昨年度までに行ったアミノカルボニル反応による糖化反応生成物を用いた遅延発光の分光分析結果を踏まえ,光増感反応の遅延発光への関与,さらに活性酸素種の関与について検討を行った。その結果,遅延発光が酸素依存性を示すこと,また抗酸化剤が遅延発光を抑制するとともに,発光スペクトルが特徴的に変化するというデータが得られた。今後は,これまでに得られている物質レベルでの発光スペクトル特性データとの比較を行うとともに,光増感反応から遅延発光に至るメカニズムの解明を目指す。研究期間延長後の最終年度として,分光分析と時系列解析を併用し,実際のヒト皮膚による計測と各種色素を用いたモデル実験系を構築し比較・探索することでメカニズム解析を進め,研究のとりまとめを行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究実施場所の移転は研究開始当初は予定されていなかったため,移設及び調整作業のためおよそ半年間の研究の遅延が生じた。移設による装置トラブルはなかったため,その後ヒト皮膚によるin vivo系での遅延発光計測による発光メカニズム解析のための実験系の改修と性能評価を経て計測実験を行った。その結果,発光メカニズムへの光増感反応の関与を示唆するデータが得られた。1年間の研究期間の延長が認められたため,最終年度として当初目標の達成に向けて研究を進める。

今後の研究の推進方策

ヒト手指を対象に皮膚の遅延発光in vivo分光分析及びその時系列解析を進める。これまでに得られた抗酸化剤による消光効果の分光的特徴は重要な手掛かりであり,アミノカルボニル反応生成物や皮膚に内在,あるいは表在するメラニン色素やポルフィリン化合物の光増感モデル系の構築を検討しながら,分光情報と発光時系列解析を併用した解析法の開発を含めたメカニズム解析を進める。これらを通じてヒト皮膚の極微弱遅延発光による酸化ストレス情報の抽出という視点で研究のとりまとめを行う。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Skin lightness affects ultraviolet A-induced oxidative stress: Evaluation using ultraweak photon emission measurement2022

    • 著者名/発表者名
      Katsuhiko Tsuchida, Natsuki Sakiyama, Yuki Ogura, Masaki Kobayashi
    • 雑誌名

      Experimental Dermatology

      巻: 32 号: 2 ページ: 146-153

    • DOI

      10.1111/exd.14690

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ヒト皮膚の青色光誘起極微弱遅延発光の分光分析による発光メカニズムの解析2024

    • 著者名/発表者名
      若林勇賢,滝口瑠音,下村悠太,鈴木将史,小林正樹
    • 学会等名
      令和6年東北地区若手研究者研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Biophoton imaging as a life’s work.2023

    • 著者名/発表者名
      Masaki Kobayashi
    • 学会等名
      A Century of Biophotons Workshop (National Institute of Theoretical and Computational Sciences (NITheCS), Stellenbosch University, South Africa)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 極微弱発光画像計測による顔皮脂過酸化状態の可視化2023

    • 著者名/発表者名
      伊藤友貴,赤坂哉斗, 小林正樹
    • 学会等名
      令和5年東北地区若手研究者研究発表会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] ヒト皮膚の青色光誘起極微弱遅延発光の時系列解析2022

    • 著者名/発表者名
      伊藤幹太,笹野優我,宍戸駿太,多田美香,小林正樹
    • 学会等名
      令和4年東北地区若手研究者研究発表会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] メイラード反応初期過程における極微弱化学発光の高感度分光分析と基質依存性評価2022

    • 著者名/発表者名
      浅利善輝,多田美香,小林正樹
    • 学会等名
      令和4年東北地区若手研究者研究発表会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 極微弱光計測技術を応用した皮膚酸化ストレスの非侵襲的評価2021

    • 著者名/発表者名
      土田克彦, 小林正樹
    • 学会等名
      第60回日本生体医工学会大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] Highly Sensitive Imaging and Spectral Analysis of UPE from Biological Systems and Their Application. In: Ultra-Weak Photon Emission from Biological Systems -Endogenous Biophotonics and Intrinsic Bioluminescence- (I. Volodyaev, E. van Wijk, M. Cifra, Y. A. Vladimirov eds.)2023

    • 著者名/発表者名
      Masaki Kobayashi
    • 総ページ数
      521
    • 出版者
      Springer Nature
    • ISBN
      9783031390777
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] Kobayahshi Biophoton Lab

    • URL

      https://labs.eis.tohtech.ac.jp/kobayashi/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実施状況報告書 2021 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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