研究課題/領域番号 |
21K12637
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
|
研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
木島 貴志 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90372614)
|
研究分担者 |
柴田 英輔 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (00774613)
間瀬 教史 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (40454730)
祢木 芳樹 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (70814515)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | 肺コンプイアンス / IPV / 食道カテーテル / 口腔内圧 / 食道内圧 / 胸腔内圧 / 気道抵抗 / 呼吸動態 / 声門開放CT / 閉塞性肺疾患 / 拘束性肺疾患 / 肺コンプライアンス / 声門開放呼気CT / 間質性肺炎 |
研究開始時の研究の概要 |
通常の息止めでのCTは声門閉鎖による陽圧の影響により真の病態が正しく捉えられず過小評価される可能性が高い。呼吸動態の力学的理解に基づけば、呼気位声門開放状態でのCTは、より正確な疾患病態を画像として捉えることが可能であると考えられる。また、肺コンプライアンスは呼吸器病態の理解に極めて重要な指標であるが、通常食道カテーテル法という侵襲的かつ再現性に乏しい方法でしか測定できないため、実臨床ではほとんど測定されない。本研究では、非侵襲的かつ再現性のあるIPV法による肺コンプライアンス測定法の開発を試みる。これらにより、呼吸器疾患のより正確な病態理解と新たな診断法の確立を目指す。
|
研究実績の概要 |
肺コンプライアンスは肺の拡張のしやすさの指標で、換気量と胸腔内圧の変化量の比(L/cmH2O)で表わされる。新型コロナウイルス感染などによる間質性肺炎や肺線維症では、肺の拡張が障害されて肺コンプライアンスが低下するとされている。その算出には胸腔内圧を計測する必要があり、食道にバルーンカテーテルを挿入して計測された食道内圧をもって胸腔内圧とする方法がとられている。しかし、食道カテーテル法は被験者の肉体的負担が大きく、挿入部位によって測定値が異なるなど、再現性に問題があるため、肺コンプライアンスの計測は臨床では実施されていない。 今回我々は、閉鎖式高頻度人工呼吸器(一般名Intrapulmonary Percussive Ventilator、以下IPV)を用い、気流量と口腔内圧のデータから胸腔内圧を推定して肺コンプライアンスを算出する方法を考案した。いわゆる高頻度換気療法に使用される装置は開放型が一般的であるが、IPVは高頻度(1-5Hz)でジェットを送気する際に排気弁が閉鎖するしくみになっており、肺末梢の排痰補助に有用である。 我々は、IPV施行中の気流量と口腔内圧、食道内圧を同時計測し、口腔内圧の変化から胸腔内圧を推定できることを見出した。 さらに、健常被検者において食道カテーテル法で測定した肺コンプライアンス値とIPV法により口腔内圧から推定された胸腔内圧を用いて算出した肺コンプライアンス値および気道抵抗の比較により、IPV法の妥当性を確認した。 IPVも圧流量計もすでに臨床で使用されている装置であるため、新たな呼吸機能検査法として期待できる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19患者増加の影響により、研究実施者が患者診療に追われ、実験の時間がほぼ取れなかった。 COVID-19感染リスクのため、被験者に対してCTやIPVを用いた検査がほとんど制限されたため、臨床データの取得ができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度、5月8日にCOVID-19が5類感染症に変更となった後に、倫理委員会の承認を受けた後、間質性肺炎、肺線維症、COPD、喘息患者など種々の呼吸器疾患患者を被検者としたデータ収集をを行い、IPV法による肺コンプライアンス測定の砂糖性の検証を行う予定である。
|