研究課題/領域番号 |
21K12646
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
安部 武志 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10819402)
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研究分担者 |
浅井 義之 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00415639)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 高次スペクトル解析 / cross-bicoherence / グレンジャー因果性 / Granger因果性解析 / 睡眠検査 / 機能的結合性 |
研究開始時の研究の概要 |
睡眠障害を適切に診断治療するには、睡眠の質を客観的な基準で評価することが求められる。臨床における睡眠検査では、脳波や循環、呼吸についての多変量時系列データにより脳活動を観測する。本研究の目的は、睡眠中の大脳皮質領域間で向きのある非線形な相互作用を定量するのに適した指標を明らかにし、上記時系列データから統計量として推定する手法を提案することである。本研究の計画では、神経ネットワークの数理モデルから生成されたシグナルのcross-bicoherenceを推定する手法を確立し、睡眠検査で得られた時系列データから睡眠ステージの推移がどのような皮質領域間の機能的相互作用の変化を伴うかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
睡眠試験で得られる時系列データには、相互作用して情報処理する大脳皮質領域の活動が現れる。グレンジャー因果性といった相互作用の客観的な指標が存在するが、ノイズの多い環境での相互作用の検出には限界があり、その臨床上の有用性は定かでない。本研究では、非線形な相互作用の指標であるcross-bicoherenceを調査した。結果として、擾乱された周期信号に適用した場合、周波数領域グレンジャー因果性と比べcross-bicoherenceは非線形相互作用の特徴であるquadratic phase couplingの検出力に優れていることを明らかにした。この結果は高次スペクトル統計量の臨床応用につながる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果として、(1)擾乱された非線形な相互作用を再現可能な数理モデルを提案したこと、(2)高次スペクトル統計量の1つcross-bicoherenceによって、サンプルされた多変量時系列データから非線形な相互作用の特徴を効率的に検出できることを示したこと、そして(3)実施したシミュレーション研究に用いた関数を実装したRプログラミング言語のパッケージを一般に公開し再利用可能にしたことが挙げられる。これらの成果により、高次スペクトル時系列解析の臨床応用を先導し継続的な研究開発を可能にしたという意義がある。
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