研究課題/領域番号 |
21K12648
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
|
研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
石井 悠海 大分大学, 医学部, 客員研究員 (20835607)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 心房細動 / 心外膜脂肪 / CT画像 / CT値 / 心房線維化 |
研究開始時の研究の概要 |
心房細動は全国民の約1%が罹患する代表的な不整脈疾患である。心房細動を発見できずに脳梗塞を起こし,重度の後遺症に悩んでいる患者が多く存在する。心房細動の早期発見につながる研究をしたいと思い,心房細動患者の心筋と周囲の脂肪(心外幕脂肪)を解析し,「炎症の強い心外膜脂肪が,心筋の線維化を悪化させる」ことを発見した。これは「心外膜脂肪を見れば早期に心房細動を発見・予防できる」という画期的な成果であった。そこで,医療現場で非侵襲的に心外膜脂肪を可視化する技術を開発するためCT画像に注目した。CT画像と実際の心外膜脂肪を比較検討し「心外膜脂肪を利用した心房細動の新たな画像診断法を確立」することとした。
|
研究成果の概要 |
心外膜脂肪組織(EAT)が、心房細動(AF)の発症に関連する。私たちは、EATが高度の線維化をきたすことを発見し、このEATの線維化リモデリングの進行と、AFの重症化が一致することを報告した。今回、AFの一因であるこのEATの線維化リモデリングが、CT画像に反映されていると仮説を立てた。線維化リモデリングの強い部位では、線維化の増生と脂肪細胞の小型化が起こっており、組織密度が上昇していた。この組織密度の上昇は、心房筋の近位に沿って起こり、この変化をCT値で測定したところ、組織での変化とCT値での変化が相関した。この結果は、CT画像より心房細動のリスクを評価できる可能性を示唆した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心房細動は脳梗塞発症の原因となる。症状なく心房細動に罹患している患者も多く存在し、脳梗塞を発症し初めて気が付くこともしばしばある。また、発作時に心電図検査を行わなければ、診断もできない。今回の私たちの研究は、心外膜脂肪をCT検査で非侵襲的に評価し、心房細動のリスクを有する患者を特定できる可能性を示した。この技術が臨床現場で応用できれば、脳梗塞発症前に心房細動患者を同定し、早期治療、脳梗塞予防に活かすことができるかもしれない。
|