研究課題/領域番号 |
21K12649
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
井上 知也 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (50405289)
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研究分担者 |
小田 晋一郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50529873)
川尻 英長 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40515235)
山南 将志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (30438204)
神田 圭一 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60295649)
渡辺 太治 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (20448723)
夜久 均 京都府立医科大学, その他部局等, 学長 (50295648)
田地川 勉 関西大学, システム理工学部, 准教授 (80351500)
五條 理志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90316745)
上 大介 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (80415588)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 生体内組織工学 / 自家移植 / 同種移植(親子間移植) / 手術室内処理 / 臨床応用の拡大 / 脱細胞化処理 / 異種移植 / 同種移植 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では既に臨床応用を行っている生体内組織工学による自家結合組織代用血管に様々な化学処理を施すことにより高信頼性の他家ヒト由来(同種)・動物由来(異種)移植用代用血管を作成する事により、適応困難であった極度のハイリスク症例に治療の適応を拡大・発展させるための技術開発を行う。患者の治癒力を最大限に引き出し患者自身の体内で再生する次世代型臓器として自家組織にとって換わり、冠動脈バイパス・下肢末梢動脈バイパスなどの小口径血管、感染合併症例や成長期にある小児心臓外科にも使用可能な結合組織代用血管他家移植への適応拡大をめざす。
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研究実績の概要 |
同種・異種由来の他科組織を応用する技術開発のために、結合組織代用血管に化学処理・脱細胞化処理を加える実験を継続した。処理前後の検体を比較するために物理特性計測システムを用いて、種々の力学的パラメータ計測を行った。 脱細胞処理の短縮についても見直しを行った。まずこれまで行ってきた界面活性剤を灌流する方法を改良することにより、ビーグル犬皮下で作成した生体内組織工学代用血管に脱細胞化処理を行ったが、処理前後の比較試験で脱細胞後も十分な強度が保持されていることが確認できた。さらにより短時間で十分な脱細胞化が行えることを組織学的評価・DNA定量で確認した。 今後の産業化を想定して、現在の実験レベルにおいても他科脱細胞化組織作成の工程の簡便化を試み、脱細胞化プロトコールについても見直しを行うこととした。以前用いていた還流法でも全体で約7時間の処理が可能となったが、さらなる手技の簡略化および短縮を目指して別の方法を導入した。 グラフトが粗な構造であるため通常の生体血管の脱細胞処理よりも短時間かつ簡便な処理が可能と考えた。そこでより処理効率を高めるために、これまでの様に処理液を還流する方法ではなく、大量の処理液中に浮遊させ強く振盪する方法を導入した。この方法では特殊な還流設備が不要で清潔操作が確保しやすいうえに、一度に多くの組織を処理できるため作業効率の向上と短時間化が可能であると考えた。本年度は処理方法の最適化を開始したところであるが、現在のパイロットデータによると今後大幅な効率化が見込まれる。この方法で処理した組織の物理特性計測や、短期の他科移植実験を開始した。次年度は更なる処理時間の短縮と効率化を目指した、脱細胞化処理条件の開発を行いたい。また引き続き他科移植動物実験を行い、合わせて今後はこれまで行ってきた自家移植実験との比較も開始したいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は脱細胞化処理の最適化に集約して研究を行ったため、年度内に予定していた動物移植実験の一部は主に次年度に行うこととなった。 やや移植実験は遅れ気味ではあるが、予定の研究は進行しており、徐々に成果報告も開始している。
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今後の研究の推進方策 |
さらに最適化・効率化を目指し、本年度開始した大量の処理液を用いて強く振盪する脱細胞化処理について様々な溶液の濃度・量、振盪処理条件(振幅・回数)を比較する。 また処理後の組織の物理特性計測を行うことにより物理的強度を安全に保つことが出来る処理条件を検討する。その後引き続き短期~中期の他科移植実験を継続する。合わせてこれまで行ってきた自家移植実験との比較も開始したいと考えている。
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