研究課題/領域番号 |
21K12654
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
本間 順 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (50507366)
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研究分担者 |
関根 秀一 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (60541737)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 組織工学 / 細胞シート / 膵島β細胞 / 血管内皮網 |
研究開始時の研究の概要 |
既存の膵島β細胞移植研究は、細胞凝集塊を血管豊富な肝臓・腎臓に移植する方法が主だが、大量の細胞塊がレシピエント臓器に散在するため、腫瘍化時の摘出は困難である。そのため、1つの大きな膵臓様組織の移植が最適と考えている。しかし、膵島β細胞は酸素栄養需要が高く、組織構築には豊富な血管網の構築が必須であり成功例はない。一方、我々は、血管内皮網付心筋シートで心筋組織の構築に成功しており、この知見をいかして、血管内皮網付膵島β細胞シートを皮下に段階的に積層移植することで厚い膵臓様組織を構築する。本研究は膵臓様組織再生治療の基盤となるものである。
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研究実績の概要 |
本研究は、血管内皮網付膵島β細胞シートの作製プロトコールを確立するとともに、血管内皮網付膵島β細胞シートを皮下に段階的に積層移植することで厚い膵臓様組織を構築することを目的とする。血管内皮網付膵島β細胞シートにより皮下に厚い膵臓様組織を構築できることを証明するために、『①血管内皮網付膵島β細胞シート作製条件の適正化、②血管内皮網付シートの組織内血管網構築能の検証、③構築した膵臓様組織機能の評価』の実験を行う。①に関しては、昨年度までに当初の目的を達成したため、本年度は②を中心に行った。 本年度は厚い膵島様組織を構築するための血管内皮網付細胞シート(以下、細胞シート)積層法の検討を中心に行った。厚い膵島様組織を作製するために、1度に移植できる細胞シートの枚数を検討したところ、3枚までは血流豊富な膵島様組織として生着することを確認できた。次に、更に厚い組織を構築するために、ラットへの段階的積層移植を行った。段階的移植とは、細胞シート移植後数日後に再度細胞シートを移植していく方法である。積層間隔を2日として移植したところ、2回目の積層移植分が生着しないことが判明した。原因として、最初に移植した細胞シート内への血流が不十分であったことが考えられた。また、③に関しては、CTZ誘発糖尿病ラットモデル作製のための、CTZ投与量を決めることができた。CTZ誘発糖尿病モデルラット作製プロトコールを完成させることで、次年度以降の研究の準備を整えることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度までに、「①血管内皮付膵島β細胞シート作製条件の適正化」に関して達成しており、本年度は、「②血管内皮付シートの組織内血管網構築能の検証」に関しては、1度に移植できる細胞シートの枚数を3枚と決めることができた。但し、血管網構築能としては、移植後2日では、細胞シート内に十分な血流が確保できないことを確認できた。 本年度内の実験では、細胞シート内に十分な血流が確保できる日数は確認できていないものの、初年度に、本年度内の達成目標の一部を達成できていること、次年度のために、CTZ誘発糖尿病モデルラット作製プロトコールを完成させたこともあり、プロジェクト全体としては、おおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、「達成目標②血管内皮付シートの組織内血管網構築能の検証」に関しては、本年度までに達成できなかった細胞シート内に十分な血流が確保できる日数を検証し、本細胞シートにおける段階的積層法のプロトコールを確定し、厚い膵島様組織を構築していく。また、「達成目標③構築した膵臓様組織機能の評価」に関しては、糖尿病ラットモデルへの移植を通して、細胞シートによる実際の血糖降下能と、正常血糖まで血糖降下する細胞シート枚数を段階的積層をしていくことで、評価していく。 これらの研究を推進していくことで、本研究の最終目標である臨床応用への基盤となると考えられる。
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