研究課題/領域番号 |
21K12658
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
崎山 亮一 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (30408471)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 癒着防止 / 積層化細胞シート / 血管網誘導組織 / 疑似腹膜 / 腹膜透析液評価 / 癒着防止膜 / 疑似腹膜組織 / 管腔構造 / 細胞間接着の向上 / 3次元培養 / ホスト血管結合 / オルガノイド |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、より生体に近い血管網付腹膜組織の構築と選定、早期にホスト血管と移植組織が結合することで術後の癒着を防止する技術を構築する。具体的には、組織工学(積層化細胞シート工学)と数値解析、生理学に基づく(1) 腹膜組織in vitro simulator(腹膜シート)の構築、(2)マウス腹膜癒着モデルの癒着防止評価(90%の癒着防止効果)、(3) 腹膜シートの癒着防止機序の解明(24時間以内にホスト血管と結合)、の精査を実践する。本研究課題は、細胞シート技術と数値解析の独創的研究であり、医療費削減と患者QOL向上の効果が期待でき、外科的手術の現場で極めて高い波及効果と社会的意義を有する。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、24時間以内にホスト血管と結合できる癒着防止膜を開発し、癒着防止を立証することを目的としている。血管網付3次元腹膜組織(3層疑似腹膜組織)は、温度感受性培養皿を用いてヒト中皮細胞株、ヒト線維芽細胞株、ヒト血管内皮細胞(HUVEC)の細胞シートを積層化することで作成し、膜間抵抗、溶質透過試験、遺伝子発現で選定できた。ヌードマウスの癒着モデルを開発し、3層疑似腹膜組織を移植した結果、移植10分で生着した。7日目後には60%の生存率であり、3例中1例で癒着スコア5(重度)からスコア3(軽度)の改善が見られた。本研究により、腹膜に近い組織は癒着防止効果があることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、積層化細胞シート技術を用いた独創的研究であり、癒着防止効果が33%であった。これは従来の人工的な癒着防止膜と同程度の成果であったが、今後、癒着防止効果を高めることで医療費の削減と患者のQOL向上の効果が期待できる。血管網を有する積層化技術は、「作製組織の不安定化」と「積層化の厚みと移植後の虚血による酸素・栄養供給不足とそれによる組織の機能低下」の問題を回避する独創的研究であり、その選定方法は治療効果に直結しており、次世代の再生医療移植デバイス構築の研究分野を創造できる。本研究課題の成果は開腹手術に直結したものであり、外科的手術の現場で極めて高い波及効果と社会的意義を有する。
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