研究課題/領域番号 |
21K12675
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
山本 衛 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (00309270)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | バイオメカニクス / エラスチン / 生体軟組織 / 靭帯 / 力学的特性 / 生体適合性 / 動脈球 / ハイドロゲル / 線維芽細胞 / 脊柱靭帯 / 組織再生用材料 / 腱・靭帯 |
研究開始時の研究の概要 |
エラスチンを素材としたハイドロゲルを作製し,その力学的特性を定量的に評価した基礎研究は現状行われていない.さらに応用研究でも,損傷した靭帯組織の再生用材料にエラスチンハイドロゲルは利用されていない.本研究では,エラスチン含有率の高い項靭帯および黄色靭帯の損傷を治療法の開発を念頭に,生体靭帯の力学的特性を模倣するエラスチン含有ゲルの作製条件を探索する.さらに,損傷靭帯の再生を促進するエラスチン含有材料の開発と損傷治癒過程の力学的評価を実施する.本研究の結果から,項靭帯の外傷や黄色靭帯骨化症など,組織伸展性が低下する損傷や疾患に対して,エラスチンを用いた新しい予防治療法を提案することを目指す.
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研究成果の概要 |
コラーゲンとエラスチンは,靭帯,皮膚などの生体軟組織のなかで支持構造体を形成している.コラーゲンは,生体材料などの応用分野で幅広く使用されている.これに対して,エラスチンの医療分野での応用はコラーゲンと比較して非常に遅れている.我々の研究グループでは,魚類由来エラスチン材料の生体医工学的応用を指向した研究を実施した.エラスチンをバイオマテリアル化するには,エラスチン材料の力学的特性や生体適合性に関するデータが不可欠である.そこで本研究では,エラスチン材料に対する力学試験と,エラスチン被覆基材を用いた線維芽細胞の培養実験を行い,エラスチン材料と生体軟組織との力学的相違や細胞毒性について検討した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エラスチンの生化学的,分子生物学的,および生体力学的な基礎特性に関しても未解明な部分が多く残されており,バイオメディカル分野への応用も全く進展していない.エラスチンを含有する材料の作製方法を確立し,作製した材料の力学的特性を定量的に評価する研究はこれまでに行われておらず,その基礎科学的価値が高いだけでなく,水分を多く含む生体軟組織の再生用材料の開発などの生体医工学的応用へと繋がっていくものと予想できる.さらなる波及効果として,より発症頻度の高い腰痛などの整形外科学的疾患の予防,対処方法の改良に対しても,エラスチンに着目した本研究の結果を発展させていくことが可能であると推察される.
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