研究課題/領域番号 |
21K12681
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
高島 伸一郎 金沢大学, 医学系, 助教 (60547165)
|
研究分担者 |
薄井 荘一郎 金沢大学, 附属病院, 講師 (50507043)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 皮下脂肪組織間質細胞 / 拍動心筋分化 / 再生治療 / 拍動心筋細胞 / 慢性心不全 / 細胞治療 / 遺伝子導入 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はマウスの皮下脂肪間質細胞(SVF)を自律拍動心筋細胞(BeatingSVF)に再現性をもって分化させる方法を確立し、Beating SVFの網羅的遺伝子発現解析から転写因子Mef2cがSVFの心筋分化を制御することを見出した。本研究では、ラット慢性虚血性心不全モデルを用いて、心筋分化誘導遺伝子Mef2c導入SVFの心筋内投与の心機能改善効果を明らかにする。さらに臨床サンプルを用いた研究において、ヒトSVFを拍動心筋細胞に分化誘導させる方法を確立する。本研究によりMef2c遺伝子導入SVFの慢性心不全に対する治療効果とヒトへの応用実現可能性を証明し、新規心筋再生治療開発へと発展させる。
|
研究実績の概要 |
本研究の学術的な「問い」は、「SVFに心筋誘導遺伝子Mef2cを導入したMef2c強発現SVFの投与が慢性虚血性心不全を改善させるか」、また「ヒトSVFもMef2cの導入により拍動心筋細胞に分化するか」である。 検討1. ヒト臨床皮下脂肪サンプルを用いて、ヒトSVFを拍動心筋細胞に分化誘導させる方法を確立する。 待機外科手術患者20例を対象に、手術時に生じた余剰皮下脂肪を採取。コラゲナーゼ処理ならびに遠心分離によりヒトSVFを得る。培養ディッシュにSVFを播種後、第5日目にレンチウイルスベクターを用いて、“心筋誘導遺伝子”MEF2Cを導入。28日後に分化誘導された「ヒト拍動心筋」特性について解析を行う。今年度は新型コロナウイルス感染症流行の影響で、新規患者のエントリーが滞った。来年度は引き続き症例を積み重ねていく予定である。 検討2.ラット慢性虚血性心不全モデルにおける“心筋分化誘導遺伝子導入”SVF投与の心機能改善効果を明らかにする。 αMHC-GFP Tgマウスの皮下脂肪からSVFを採取し、in-vitro で①PBS, ②SVF,③SVF+Mef2cの3群に分け、細胞播種後第5日目にそれぞれの「心筋分化誘導遺伝子」をレンチウイルスベクターを用いて導入する。day 10に回収、genetically-primed SVFを得る。野生型ラットに虚血再灌流モデルを作成し、4週後にgenetically-primed SVFを心筋虚血リスク領域の心筋内に直接投与する。細胞投与4週、8週後に心機能評価、組織評価を行い、心筋分化誘導遺伝子導入SVFの心機能改善効果、ホストにおける移植後in-vivo心筋分化効率を評価する。令和4年度はαMHC-GFP Tgマウスの繁殖が順調に進んだ。令和5年度は当初予定した実験を遂行できる見込みである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、臨床検体のリクルートが滞ったため、患者サンプルを用いた実験の進捗が遅れている。マウスモデルを用いた検討においては、使用マウス(αMHC-GFP-トランスジェニックマウス)の繁殖に難渋したため実験の遂行が遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の流行が収まり、新規患者のエントリーを再開できる見通しである。これにより来年度は患者サンプルを用いた実験を推進できる。また動物実験に使用予定であった遺伝子改変マウス(他施設より供与を受けたαMHC-GFP Tgマウス)の繁殖が進んでおり、来年度は実験を進捗できる見込みである。
|