研究課題/領域番号 |
21K12694
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 北陸大学 |
研究代表者 |
高橋 達雄 北陸大学, 薬学部, 教授 (50445904)
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研究分担者 |
鈴木 宏一 北陸大学, 薬学部, 准教授 (70257484)
佐藤 友紀 北陸大学, 薬学部, 准教授 (30367495)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 変形性関節症 / 軟骨基質 / フラバノン / liquiritigenin / 軟骨細胞 / 滑膜細胞 / 骨指向性 / リクイリチゲニン / 疾患修飾性OA治療薬 / 酸性オリゴペプチド / エストロゲン受容体 / ドラッグデリバリー / 骨指向性ペプチド |
研究開始時の研究の概要 |
変形性関節症(OA)は、病態初期に軟骨基質の減少を認めることから、軟骨基質形成促進作用を有する化合物が病態の進行を抑える治療薬となり得る。我々は、フラバノン誘導体のLiquiritigeninが軟骨基質形成促進作用を有していることを見出しており、Liquiritigeninの標的分子を解明することでコンピューター解析により高活性フラバノン誘導体の創製が可能である。さらに、その誘導体に骨指向性ペプチドを付加することにより、骨をリザーバーとして長期にわたり高活性フラバノン誘導体を関節に作用させることが出来ると考えられる。本研究により、疾患修飾性OA治療薬が創出され、OAの効果的な治療が可能となる。
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研究成果の概要 |
変形性関節症(OA)は関節軟骨の変性によって引き起こされる疾患である。本研究の目的は、関節軟骨の修復作用を有する疾患修飾性OA治療薬を創製し、その有効性を立証することである。フラバノンの1つであるliquiritigenin(liq)は、軟骨細胞のエストロゲン受容体を介して細胞の増殖を促進させ、その結果、軟骨基質の形成を促進することを明らかとした。OAモデルマウスを用いた検証によって、liqはOAモデルマウスの関節病変を改善することが明らかとなり、骨指向性を高めたliqはOAに対する治療効果がliqと比較して高かった。以上の結果から、liqの疾患修飾性OA治療薬としての有用性が立証された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
変形性関節症(OA)は高齢者に好発する慢性の関節疾患であり、痛みを伴うだけでなく関節機能の低下ももたらす。自覚症状のある患者は国内に1000万人いるといわれており、要介護の主要な原因疾患の一つでもあるため、OAの効果的な予防法と治療法の確立が急務の課題である。現在、OAの薬物療法は主に症状を改善するものしかなく、病気の進行を抑える疾患修飾性OA治療薬はない。本研究の成果は、フラバノンのliquiritigeninが疾患修飾性OA治療薬として有用であることを立証し、OA治療の新たな選択肢を増やすものである。
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