研究課題/領域番号 |
21K12698
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
孫田 惠一 北海道大学, 大学病院, 診療放射線技師長 (20636419)
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研究分担者 |
山品 博子 福島県立医科大学, 保健科学部, 講師 (00726242)
納谷 昌直 北海道大学, 大学病院, 講師 (20455637)
平田 健司 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (30431365)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 半導体 / PET / 心臓 / ファントム / ポジトロン断層撮影 / 心臓動態ファントム / デジタル半導体PET |
研究開始時の研究の概要 |
心臓を対象としたポジトロン断層撮影(PET)では、心拍や呼吸による動きのため画像がブレてしまい、病変の検出能力が低下する。心拍と呼吸をPET装置上でモニタリングし撮像する方法は動きを補正する有力な方法であるが、画像ノイズを増加させるため検出能力は担保されていないことが多い。次世代型のデジタル半導体PETは高解像度・低ノイズを実現するが、動きのある病変での撮像手法は最適化されておらず、その特長を活かせていない。本研究では、動きのある心臓領域におけるデジタル半導体PETの最適な撮像方法を確立し、検出能力の担保された心臓PET画像の構築を目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究では、デジタル半導体PETに対応する心臓サルコイドーシスおよび冠動脈プラークによる炎症病変を含むヒトの心臓を再現したファントムを開発することである。 令和5年度前半期は、令和3年度に行った冠動脈および心筋を模したファントムの素材選定と、ファントム構成物質の混合率の調整を行った。また、製作過程で気泡が発生する問題点の検討と改善も同時に行った。最終的には、心臓の動きを模したストロークに耐えうるかまでのテストを行い、無事に完成したと考えられた。 令和5年度後半期には、令和4年度に行った冠動脈および心筋以外の臓器(肺、縦隔、骨)を合わせ、一つのファントムとして、呼吸と心拍による動きを再現したものとして組み合わせ、各臓器部分の耐久性等の問題が無いか確認を行った。 一方で、本研究の最終目的は炎症病変を含む冠動脈を模したファントムを製作することであるが、現状の技術では炎症を模した部分の製作が難しいと判明したため、まずは冠動脈全体を模したファントムを製作することに注力することとした。 完成したファントムは、放射性元素を用いて製作することになるが、F-18などのPET核種は半減期が短いため、冠動脈部分の製作とその後の心筋以外の臓器(肺、縦隔、骨)との結合による組み立ては短時間で行う必要がある。現在、可能な限り手短に準備から撮像までが行えるように、製作手順や組み立て手順を検討している段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、令和4年度終了時点で心臓動態ファントムそのものの開発は終了し、実際にPET撮像を行うことで、最適な撮像手法を探索する予定であった。令和5年度は引き続き検討することで、ファントムそのものは完成に至ったと考えている。まず、令和6年度上半期には放射性同位元素を用いない状態でのコールドテストを行い、ファントム結合手順の再検討を行った上で、引き続き放射性同位元素を用いた本実験に取り掛かる予定である。その後、速やかにPET撮像による撮像手法の最適化を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度終了時点で心臓動態ファントムの製作は完了したと考えている。令和6年度上半期は、コールドテストと経たうえで本実験に取り掛かる予定である。下半期には、完成したファントムの画像とヒト臨床画像の比較による検討を行うことで、ファントムの正確性を検討する予定である。尚、比較対象となるヒトPET画像は既に収集を終了しているため、ファントム撮影が終了し次第速やかに検討ができる状況であると考えている。その後、その成果をまとめ関連学会にて発表を行うことを検討している。
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