研究課題/領域番号 |
21K12699
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
梅村 晋一郎 東北大学, 医工学研究科, 学術研究員 (20402787)
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研究分担者 |
西條 芳文 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00292277)
吉澤 晋 東北大学, 工学研究科, 教授 (30455802)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 音響インピーダンス / 不安定プラーク / 反射エコー / 第2高調波 / アレイ受信器 / 位相検出 / 有限要素法 / 反射体モデル / 超音波イメージング / 符号付きエコー / 1.5Dアレイプローブ |
研究開始時の研究の概要 |
動脈硬化症をクリーニングするにあたり,頸動脈エコー検査は,有効であり広く用いられている.そこで発見されるプラークについて,それが不安定性であるか否かを判別することは,治療方針を決定するにあたってきわめて重要である.頸動脈の不安定プラークは,それが破綻して脳梗塞を直接引き起こす危険性があるだけでなく,脳動脈や冠動脈に同様の不安定性プラークが生じている可能性を示唆するためである.本研究の目的は,エコー信号の符号を検出し,それにより,不安定プラークのように周囲よりも音響インピーダンスの低い組織と,逆に安定プラークのように高い組織とを識別可能とし,治療方針決定に役立つ技術を実現することにある.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,周囲の媒質(血液)よりも音響インピーダンスの小さな反射体(不安定プラーク)と媒質よりも音響インピーダンスの大きな反射体(安定プラーク)とを音響インピーダンスの大小により識別して検出可能とすることにある.その原理は,基本波エコー信号を自乗して得られる第2高調波エコーを参照信号として,実際に受信された第2高調波エコーの位相を検出し,位相が反転しているか否かを判定するものである. 頸動脈に生じたプラークを識別する場合を具体的に想定して,それに必要な超音波プローブの仕様を,理論的に検討し,数値計算シミュレーションにより確認した.以下それを説明する. 基本波と第2高調波それぞれの点拡がり関数の拡がりをほぼ同等とするためには,第2高調波におけるF値を基本波におけるF値の2倍程度に設定する必要がある.体表からの深さ15mmにおいて,基本波7.5MHzにてF値1,第2高調波15MHzにてF値2の撮像をするには,幅15mm以上の開口を素子ピッチ0.15mm以下にて刻む必要がある.すなわち,開口直径を100素子程度に刻む必要がある.これを素直に3次元フォーカスにて実現するには,8000素子程度の2次元アレイ受信器が必要となる.これは現実的でないので,2次元フォーカスを実現する1.5次元アレイ受信器を考える.長軸方向は100素子程度に刻むとして,短軸方向は,1:2のF値を実現するため,4素子程度に刻む必要がある.短軸方向は,撮像のための走査が必要ないために,対称接続が可能であるので,4素子を2チャネルに縮約してよい.従って,撮像に必要な受信チャネル数は200程度の現実的な値となる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
頸動脈に生じたプラークを識別する場合を具体的に想定して,それに必要な超音波プローブの仕様を,理論的に検討し,数値計算により確かめることができた.
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今後の研究の推進方策 |
最終年度には,理論検討と数値計算により得られた仕様に近い仕様をもつ超音波プローブを用いて,原理実験を試みる.
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