研究課題/領域番号 |
21K12701
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 (2023) 東京大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
大門 雅夫 国際医療福祉大学, 国際医療福祉大学三田病院, 教授 (80343094)
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研究分担者 |
中尾 倫子 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30597216)
木村 公一 東京大学, 医科学研究所, 特任講師 (50596236)
中西 弘毅 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80835140)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 画像診断 / 弁膜症 / 三尖弁 / 心房細動 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者に多い心房細動(AF)合併する三尖弁逆流(TR)による右心不全が増加しており、その発生機序として、AFによる三尖弁輪拡大の関与が示唆されている。しかしながら、その三尖弁輪の異常についてはエビデンスが乏しく、外科的治療適応となる三尖弁輪径も具体的に示されていない。また、三尖弁輪の3次元的な弁輪形態変化についても十分な検討がされていない。本研究では、3次元心エコー画像から得られた三尖弁再構築画像を用いて、AF患者における形態的異常とTR進展のメカニズムを明らかにする。そして、本研究結果に基づき、適切な外科治療の適応策定や新しい治療法開発に寄与しようとするものである。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、3次元心エコー三尖弁再構築画像を用いて、心房細動(AF)患者における形態的異常と三尖弁逆流(TR)進展のメカニズムを明らかにすることである。2021度は、3Dエコーを用いて健常人142例の三尖弁輪径や高さ、三尖弁面積、周囲長などの3次元ジオメトリー計測を行った。この結果は日本心エコー図学会ならびに日本臨床検査医学会で発表し、2023年1月に論文と投稿した。現在査読中である。2022年度には、AFによるTRを発症した例344例を対象に、三尖弁輪径とTR重症度の関連を検討した。この結果、体表面積で補正した弁輪系がTR重症度と関連することを見いだし、英文論文(Yamamoto Y, Daimon M et al. Front Cardiovasc Med 2022 Dec 20;9:1023732)として発表した。さらに、孤立性AF患者101例を対象にAF持続時間とTR、三尖弁輪径の関連を検討した。AFは持続時間の短い順に発作性AF(20例)、持続性AF(49例)、長期持続性AF(32例)の3段階に重症度評価を行った。AFの持続時間が長いほど、三尖弁輪は拡大して円形化、平坦化し、AFの持続時間と体表面積で補正した3次元的三尖弁面積の間は有意な相関を認めた。また、有意なTRを有する比率も有意に増加し、三尖弁輪面積/体表面積とTR重症度の間には強い相関(p<0.001)を認めた。本研究結果は現在論文として投稿準備中である。また、2023年3月に、これまでの研究結果について日本循環器学会ESC-JCSジョイント公式インポジウムで、「Optimal Surgical Timing for Isolated Functional TR」として発表した。また、AFに伴うTRでは、三尖弁輪径が予後規定因子として重要であることを見いだし、論文投稿準備を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
結果の解析は概ね順調に終了したが、所属施設の異動もあったため、データのまとめおよび英文論文化に遅れが生じた。現在投稿中の論文や投稿準備中の論文があり、本年度中に全て論文受理されるよう努力する。
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今後の研究の推進方策 |
データの解析は終了しているため、研究進捗そのものに問題はない。多くの解析結果が得られたため、できるだけ多くの英語論文として結果を公表する予定である。
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