研究課題
基盤研究(C)
低濃度のMRI用ガドリニウム(Gd)系造影剤を使って新生血管が豊富な癌増殖領域は造影できるが,低酸素領域の描出は難しい。そこで、本研究では,①ブドウ糖,低濃度MRI用造影剤,そして7T-MRIを利用する高い空間・コントラスト分解能の新しい癌の分子イメージング法を開発すること,②低酸素領域の癌を描出すること,③テルル化カドミウムアレーや新しいフォトンカウンティング素子を使って0.1mm程度の空間分解能で癌部位を描出すること,そして④7T-MRIとエネルギー弁別CTにより得られた画像をマルチモーダル的に利用することを目的としている。
・ガドペント酸メグルミン・ブドウ糖水溶液を使った癌造影:まず,ガドペント酸メグルミン・生理食塩水を使ってVX2癌のT1WIを行った。点滴前に,癌の信号強度は低く,癌はほとんど見えなかった。次に,点滴後,約30minで信号強度は最大になった。ガドペント酸メグルミン・ブドウ糖水溶液を用いた場合,点滴前に癌の信号強度は低かった。点滴後,信号強度は時間とともに増え続け,造影継続時間は90minを超えた。・ガドブトロール・ブドウ糖水溶液を使った癌造影:最初に,ガドブトロール・生理食塩水を用いてVX7癌のT1WIを行った。VX2と比較して,VX7癌では癌乳が少ない。点滴前の撮影では癌の信号強度は低かった。点滴後に信号強度が少し増したが,ほとんど変化しなかった。一方,ガドブトロール・ブドウ糖水溶液を使った時,信号強度は点滴後60minで最大となり,その後はわずかに減少した。また,ガドブトロール・ブドウ糖水溶液の造影継続時間は90min以上であることがわかった。・PCCTスキャナーによるKエッジCT撮影:K-edge CT撮影ではヨウ素(I)とガドリニウム(Gd)の造影剤を使った。I-K-edge CTでの管電圧は70~80kVで,I-K-edgeエネルギーが33.2keVであることから,スレッショルドエネルギーを15および33keVとした。犬の心臓ファントムを使ったI-K-edge CTでは33-70keVのフォトンを使い,I造影剤が満たされた冠動脈が高コントラストで造影された。Gd-K-edge CTでの管電圧は100kVで,Gd-K-edgeエネルギーが50.2keVであることから,スレショルドエネルギーは25と50keVに設定された。50-100keVのフォトンを使ったGd-K-edge CTではGd造影剤が満たされたウサギ鼻尖の微小血管が高コントラストで造影された。
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