研究課題
基盤研究(C)
結核菌の遺伝子型別は、感染経路の究明や薬剤耐性株のモニタリングなどに必要不可欠である。現在の結核菌遺伝子型別法は半定量的であり、データの精度保証や多検体処理、低コスト化にも問題がある。これらの問題を解決するため、近年開発されたナノポアシーケンス技術を遺伝子型別法に応用し、ナノポア・ロングリード配列を用いたコンピュータ自動解析法(ナノポアVNTR法)を開発する。
本研究では、ナノポアシーケンス技術を用いた結核菌のVNTR解析法を開発し、従来法と同等の高精度(99.5%)が達成できることを示した。また、ナノポアシーケンスデータから18種類の抗結核薬に対する薬剤感受性を96.8%の精度で予測できることを明らかにした。ナノポアシーケンス技術、結核対策に必要な結核菌の遺伝子型別と薬剤感受性予測を、一般検査室レベルで迅速・簡便・安価に実施できる可能性が示された。
本研究で開発されたナノポアシーケンス技術を用いた結核菌の解析法は、従来法と同等の精度を有しながら、より迅速・簡便・安価に実施できる可能性を示しており、結核対策の推進に大きく貢献することが期待される。本法の普及により、結核菌の遺伝子型別と薬剤感受性予測を一般検査室レベルで実施できるようになれば、感染源や感染経路の特定、最適な治療法の選択など、結核まん延防止に向けた様々な対策を迅速に講じることができるようになる。このように、本研究成果は学術的のみならず社会的にも大きな意義を有している。
すべて 2023 2022 2021 その他
すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 2件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
感染症学雑誌
巻: 97 号: 1 ページ: 6-17
10.11150/kansenshogakuzasshi.e22021
Infection, Genetics and Evolution
巻: 114 ページ: 105495-105495
10.1016/j.meegid.2023.105495
Antimicrobial Agents and Chemotherapy
巻: 67 号: 6
10.1128/aac.01579-22
Microbiology Resource Announcements
巻: 12 号: 2
10.1128/mra.01214-22
J. Microbiol. Meth.
巻: 204 ページ: 106647-106647
10.1016/j.mimet.2022.106647
Microbiology Spectrum
巻: Ahead of Print 号: 3
10.1128/spectrum.00571-22
Diagnostic Microbiology and Infectious Disease
巻: 103 号: 3 ページ: 115714-115714
10.1016/j.diagmicrobio.2022.115714
巻: 10 号: 3
10.1128/spectrum.00097-22
https://jata.or.jp/dl/pdf/data/TB_genom_v1.2.pdf