研究課題/領域番号 |
21K12721
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 公益財団法人結核予防会 結核研究所 |
研究代表者 |
村瀬 良朗 公益財団法人結核予防会 結核研究所, 抗酸菌部 結核菌情報科, 科長 (80535998)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 結核 / VNTR / ナノポア / 結核菌 / 遺伝子型別 / ナノポアシーケンス / 遺伝子型別検査 / VNTR法 / ナノポアシークエンス |
研究開始時の研究の概要 |
結核菌の遺伝子型別は、感染経路の究明や薬剤耐性株のモニタリングなどに必要不可欠である。現在の結核菌遺伝子型別法は半定量的であり、データの精度保証や多検体処理、低コスト化にも問題がある。 これらの問題を解決するため、近年開発されたナノポアシーケンス技術を遺伝子型別法に応用し、ナノポア・ロングリード配列を用いたコンピュータ自動解析法(ナノポアVNTR法)を開発する。
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研究実績の概要 |
従来の結核菌遺伝子型別法(VNTR法)では、施設間で使用する解析装置に違いがあり、データの精度保証が難しい、多検体処理が困難なため低コスト化が難しい、菌株識別能が不十分である、などの課題がある。これらの課題を克服するため、一度に複数菌株のVNTR分析を簡便かつ安価に実施するための手法を確立する。 2年目は、本研究課題の目的であるナノポア・VNTR法の確立を目指して、菌株選定、ゲノムDNA精製、ナノポア・シーケンス、ナノポア・VNTR法の評価を行った。菌株については、当初の研究目的に加えて薬剤感受性予測を同時に実施することを考慮し、多剤耐性結核菌を中心とした96株を選定した。これらについて、昨年度に確立されたナノポア・シークエンスに適したゲノムDNAの精製を行った。ナノポア・シークエンスについては、シークエンス精度が改善されたR10.4.1フローセルを用いたランを実施し、96株のデータ取得を完了した。ナノポア・VNTR法の評価については、従来法とナノポア・VNTR法の一致率を比較することで実施した。本邦あるいは国際的に使用されている32VNTR領域のうちの27領域の一致率は100%であり、5領域では一致率が81.4%から98.8%であった。 2年目は、本研究で必要とされる大半のデータ取得を完了した。3年目は、2年目に取得されたデータについて詳細な解析を進め、ナノポア・VNTR法の精度向上とナノポア・シークエンスに基づく薬剤感受性予測精度の評価を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度に確立した結核菌ゲノムDNA精製法と最新のフローセル、ベースコールアルゴリズムを導入することで、ナノポア・シーケンスの欠点だった結核菌ゲノム解析におけるシークエンス精度を向上させることができた。その結果、in silico PCRの精度が改善され、研究目標である「ナノポア・VNTR法の開発」に目処が立ったため、順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
3年目は2年目に取得されたデータ・セットを用いてナノポア・VNTR法の分析精度を改善させる取り組みを実施する。一部のVNTR領域ではナノポア・VNTR法の分析精度が低下することが明らかになっており、この原因を解明して対策を講じることで分析精度の向上を試みる。また、ナノポア・データを用いた抗結核薬の薬剤感受性予測に関する検討を進める。
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