研究課題/領域番号 |
21K12727
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
原田 馨太 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (30728150)
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研究分担者 |
脇元 修一 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (40452560)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 大腸内視鏡検査 / 自走式内視鏡 / ソフトアクチュエータ / 空気圧アクチュエータ / 医工連携 / 大腸内視鏡挿入支援 / ロボティクス / ラバーアクチュエータ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では空気圧式ゴム製デバイスを用いた大腸内視鏡の自動挿入システムを開発する。 我が国は大腸癌の罹患数が増え続けている。その原因の一つに大腸内視鏡の受検率が低いことが挙げられている。大腸内視鏡検査は苦痛であるということが受検率を下げている大きな理由である。そこで我々は挿入する内視鏡に自走機能を持たせて患者の苦痛軽減に寄与する内視鏡システムを開発する。医工連携により、術者の技量によらず患者にとって苦痛の少ない安全な内視鏡を実現する。また本システムは低コストで汎用性にも優れる。将来的には、AIを組み込むことで、自分で管腔を探しながら進んでいく完全自走式ロボット内視鏡の開発にも応用可能と期待できる。
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研究実績の概要 |
我が国は大腸癌の罹患数が増え続けている。その原因の一つに大腸内視鏡の受検率が低いことが挙げられている。大腸内視鏡検査は苦痛であるということが受検率を下げている大きな理由である。そこで本研究では、挿入する内視鏡自体に自走機能を持たせて、患者の苦痛軽減に寄与する内視鏡システムを開発する。医学部と工学部が連携した取り組みで医工連携により、術者の技量によらず、患者にとって苦痛の少ない安全な内視鏡を実現することを目的としている。 安全で自走機能を有する大腸内視鏡の実現のためシリコーンゴム製のバルーンを用いて,低圧で駆動可能かつ,従来の内視鏡に装着可能な大腸内視鏡挿入支援用のアクチュエータを開発している。三つのバルーンを2層で配置した構造のアクチュエータを考案し,その検証モデルの設計と試作を継続的に行った。下層に配置した二つのバルーンと上層に配置した一つのバルーンに位相差をもたせて周期的に空気圧を印加し,各バルーンを膨張変形させることで,上層バルーンの上端部で人の歩行時の立脚相と遊脚相に相当する変形を励起する。このアクチュエータを内視鏡に取り付けて駆動させることで,内視鏡に推進性能を付与するアイデアである。液状シリコーンゴムを用いた型成形によりバルーンを製作し,三つのバルーンを接合することで機能検証用のアクチュエータを製作した.製作したアクチュエータの上端部の位置変位を計測した結果,10kPa以下の低圧の空気圧印加によって立脚相と遊脚相の状態が実現できていることを確認した.また,2つのバルーンアクチュエータと収縮型人工筋肉を用いた新たな内視鏡挿入支援メカニズムを考案し,アクリル管路内での推進を確認した。液状シリコーンゴムを型成形したシリコーンチューブを,3Dプリンタにより制作した固定部に配置し,各バルーンの端部を接着する簡素な構造で,コストダウンも実現し,ディスポーザブル対応とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
医学・工学,それぞれの立場からディスカッションを継続しながら研究を進めている。基礎特定評価として,表面軌道の測定や,牽引力の測定のみならず,パイプ内での推進実験や大腸ファントムを用いた手繰り寄せ実験など,より実践的な内容に近づいている。以上のことから,おおむね順調に進展していると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究で,開発しているアクチュエータの構造によって,目的としている立脚相と遊脚相を実現できることが確認できている。同様の発想,構造の装置を,より安価で容易に製作可能となるよう工夫を進める。有限要素解析による,アクチュエータの設計や空気圧印加パターンの最適化を目指す。
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