研究課題/領域番号 |
21K12751
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
藤井 敬子 岡山大学, 大学病院, 助教 (40728606)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 造血幹細胞移植 / 移植片対宿主病 / テプレノン / 急性移植片対宿主病(aGVHD) / 酸化ストレスマーカー / 肝中心静脈閉塞症候群(VOD) / サイトカイン / IL-33 / 急性移植片対宿主病 / HSP-70 / Trx-1 / 移植片対宿主病(GVHD) / チオレドキシン / 熱ショックタンパク質 / Geranylgeranylacetone |
研究開始時の研究の概要 |
Geranylgeranylacetoneを主成分とするテプレノンがGVHDの重篤化を抑制するという仮説を立ててランダム化比較試験を行う。岡山大学病院の造血幹細胞移植症例において、一群40例(計80例)を対象に、通常のGVHD予防法にテプレノンを上乗せするか否かをランダム化割り付けし、臨床的効果と血液学的バイオマーカーを比較検証する。移植後の一定のポイントでHSP70、Trx-1などのストレス誘導蛋白、サイトカインを測定する。同様に岡山大学病院の職員20名を対象にHSP70、Trx-1のテプレノンによる誘導効果を検証する。重症GVHD発症率や重篤化の早期予測を可能とする因子を探索する。
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研究成果の概要 |
HSCT後の重症aGVHDの予防として、テプレノンを従来のGVHD予防薬と併用した場合の有効性を評価するランダム化臨床試験を実施した。介入は通常のGVHD予防法は行った上で、テプレノン(50mgを1日3回)を移植前処置開始日から21日間経口投与した。対照群21例、テプレノン群19例の計40例が組み入れられた。9 例(対照群 6 例、テプレノン群 3 例)に重症 aGVHD が認められたが発生率は両群で有意差はなかった。Trx-1など酸化ストレスマーカーの発現差はなかった。重症GVHDでIL-33の有意な上昇があり、早期発見のバイオマーカーとして有用かどうかについて今後さらなる検討が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
免疫抑制効果とは無関係な作用機序(細胞保護等の効果)でGVHDのリスクを下げる薬剤については、臨床上で開発が全くおこなわれていないのが現状である。テプレノンの主成分であるGeranylgeranylacetone(GGA)は胃粘膜のほか、小腸、肝臓、心臓、腎臓、脳など様々な組織でHSP70に加え、Trx-1を誘導しGVHDにおいても細胞保護が期待できる可能性がある。なによりもテプレノンは副作用が少なく汎用性が高いものであり、効果が認められた場合早期に臨床応用ができ移植医療へ貢献することができる可能性がある。この度は安全性が認められている範囲の投与量で試験を行った。バイオマーカーは期待される。
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