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寛骨臼形成不全に対する人工関節シェルの固定評価法の開発と手術法に関する指針の策定

研究課題

研究課題/領域番号 21K12755
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分90140:医療技術評価学関連
研究機関北里大学

研究代表者

吉田 和弘  北里大学, 医療衛生学部, 講師 (10791379)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
キーワード人工股関節 / 初期固定 / 寛骨臼シェル / 寛骨臼形成不全 / 臼蓋シェル / 臼蓋形成不全
研究開始時の研究の概要

世界的な高齢化社会において人工関節の需要は急速に増加しているが,寛骨臼シェルと骨の間でゆるみが生じることで再置換手術を余儀なくされることが多数存在する.人工股関節の適用患者としてわが国では寛骨臼の形状が小さい寛骨臼形成不全であることが多い.そのため,寛骨臼形成不全を考慮した初期固定評価方法を新規開発することが急務であると考える.また,骨の状態に応じて様々な手術法が存在するが,その効果には不明な点も多い.
本研究では,寛骨臼形成不全を考慮するために必要な生理的負荷環境を再現した初期固定力評価方法を新規開発し,本手法により寛骨臼形成不全の程度と適した手術手技を定量的に評価を行う.

研究実績の概要

世界的な高齢化社会において人工関節の需要は急速に増加しているが,寛骨臼側シェルと骨の間でゆるみが生じることで再置換手術を余儀なくされることが多数存在する.人工股関節を体内に固定する方法は,骨セメントを使わずに直接骨と人工関節を固定するセメントレス固定が主流である.しかし,シェルの初期固定力評価方法は,国内外において公な規格は存在しない.そのため,シェルとポリエチレンライナーの嵌合力を評価するASTM F1820と類似の試験方法として,回旋試験やレバーアウト試験を行った報告が非常に多い.しかし,これらの試験は体重による垂直荷重など実際は複数方向に同時に作用している生体内の負荷を十分にシミュレートできているとは言えず,より生体力学環境を再現できる試験系が必要であると考えた.
2021年度から2022年度において生理的負荷環境を再現した初期固定力評価方法の新規開発に取り組み,その妥当性に関して検証を行った.
本年度は,上記評価法を用いて寛骨臼形成不全の程度の指標として挙げられるカップCE角を0°,10°,20°,30°,50°の条件とした. カップCE角0°の条件では,垂直荷重の3 kN負荷完了前に固定が破綻したため,初期固定力を計測することが出来なかった.それ以外の条件における初期固定力は,カップCE角10°;27.5±11.9 Nm,カップCE角20°;57.6±2.4 Nm,カップCE角30°;60.0±4.9 Nm,カップCE角50°;61.5±3.5 Nmとなった(平均±標準偏差).Tukey-Kramer testの結果,有意水準5%においてカップCE角10°は他のカップCE角より有意に低値を示し,それ以外の条件間では有意な差は確認されなかった.これらのことより,カップCE角20°未満から初期固定力が急激に低下し,スクリュー等の追加固定手段が必要となる可能性が示唆された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していたカップCE角0°,10°,30°,50°に加えて20°の条件を追加できたことでより精緻な条件による評価が実施できた.

今後の研究の推進方策

本年度実験結果で学会や論文等で未報告のものがあるため,学会報告および論文投稿を実施する.

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] A novel primary stability test method for artificial acetabular shells considering vertical load during level walking and shell position2024

    • 著者名/発表者名
      Yoshida Kazuhiro、Fukushima Kensuke、Sakai Rina、Uchiyama Katsufumi、Takahira Naonobu、Ujihira Masanobu
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 19 号: 2 ページ: e0296919-e0296919

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0296919

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 歩行時の垂直荷重を考慮した人工股関節シェルの初期固定性評価方法2023

    • 著者名/発表者名
      吉田和弘,福島健介,酒井利奈,内山勝文,高平尚伸,氏平政伸
    • 雑誌名

      臨床バイオメカニクス

      巻: 44 ページ: 19-25

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] セメントレス人工関節用表面処理材料の摩擦係数に対する垂直荷重依存性2022

    • 著者名/発表者名
      吉田和弘,福島健介,酒井利奈,内山勝文,高平尚伸,氏平政伸
    • 雑誌名

      臨床バイオメカニクス

      巻: 43 ページ: 133-137

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 寛骨臼被覆度がセメントレス寛骨臼シェルの初期固定力へ与える影響2021

    • 著者名/発表者名
      吉田和弘,福島健介,酒井利奈,内山勝文,高平尚伸,氏平政伸
    • 雑誌名

      臨床バイオメカニクス

      巻: 42 ページ: 137-144

    • NAID

      40022723691

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] A Novel Evaluation Method for Primary Stability of Artificial Acetabular Shells Considering Vertical Load During Level Walking2023

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiro Yoshida, Kensuke Fukushima, Rina Sakai, Katsufumi Uchiyama, Naonobu Takahira, Masanobu Ujihira
    • 学会等名
      International Society for Technology in Arthroplasty (ISTA) 34th annual congress
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 歩行荷重下における人工股関節シェルの初期固定性に対するカップCE 角の影響2023

    • 著者名/発表者名
      吉田和弘,岸上愛奈,福島健介,酒井利奈,内山勝文,高平尚伸,氏平政伸
    • 学会等名
      第50回日本臨床バイオメカニクス学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 歩行荷重を考慮した人工股関節シェルの初期固定性評価方法2023

    • 著者名/発表者名
      吉田和弘,大友佑,福島健介,酒井利奈,内山勝文,高平尚伸,氏平政伸
    • 学会等名
      第42回バイオトライボロジシンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 人工関節シェル初期固定性の新規評価法2022

    • 著者名/発表者名
      吉田和弘, 福島健介, 酒井利奈, 内山勝文, 高平尚伸, 氏平政伸
    • 学会等名
      日本機械学会 第34回バイオエンジニアリング講演会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 生体内での力学環境を考慮した人工股関節シェルの初期固定性評価方法2022

    • 著者名/発表者名
      吉田和弘,大友佑,福島健介,酒井利奈,内山勝文,高平尚伸,氏平政伸
    • 学会等名
      第49回日本臨床バイオメカニクス学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] セメントレス人工関節用表面処理材料の摩擦係数に対する荷重依存性2021

    • 著者名/発表者名
      吉田和弘,松井みなみ,福島健介,酒井利奈,内山勝文,高平尚伸,氏平政伸
    • 学会等名
      第48回日本臨床バイオメカニクス学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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