研究課題/領域番号 |
21K12769
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
西田 正浩 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 総括研究主幹 (80357714)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 医療機器 / 人工臓器 / 数値流体力学 / 流体機械 / 血液ポンプ / 数値流体力学解析 / 溶血特性 / パッシブスカラー / 輸送方程式 / 非定常解析 / 溶血試験 / 精度 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、血液ポンプにおいて最も重要な基本的な指標の一つである溶血量を精度よく把握できるようにするために、数値流体力学解析を用いた正確な溶血量の定量化方法を提案することを目的とする。これまで実施されてこなかった、溶血量をパッシブスカラーとした輸送方程式を非定常解法で解析する方法や、計算セルにおけるせん断時間を正確に定量化したオイラーの方法を提案し、それらの解析から得られた溶血量が実際の溶血試験結果と一致するか否かを評価することにより、それぞれの解析手法を確立する。
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研究成果の概要 |
数値流体力学解析により血液ポンプの溶血量を推定する方法として、血液ポンプ内部の流れ場および内部で発生した溶血量をパッシブスカラーとした輸送方程式を非定常解析により解き、ポンプ吐出口における溶血量を推定する輸送方程式法を考案した。この方法を、血液ポンプ内部の各計算セルのせん断応力にばく露されるせん断時間を近似した各計算セルでの溶血量を算出し,ポンプ全体における溶血量を推定する従来法と比較した。その結果、溶血試験結果との相関を表す決定係数は、輸送方程式法の方が従来法よりも大きかった。これより、輸送方程式法の方が従来法よりも正確に溶血量を推定できることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血液ポンプは、中長期使用の補助循環ポンプや長期使用の補助人工心臓において、さらなる長期使用へのニーズが高まっている。血液ポンプの設計において最も重要な基本的な性能の一つは溶血特性であり、数値流体力学解析は血液ポンプの溶血特性を予測するための重要な開発ツールであるが、これまでの解析結果は、溶血試験結果と乖離していた。本研究の成果により、信頼性の高い血液ポンプの溶血特性の推定手法を示すことができた。血液ポンプ開発における形状最適化のプロセスにおいて貢献できることが期待される。
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