研究課題/領域番号 |
21K12780
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
本間 敬子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (90357971)
|
研究分担者 |
梶谷 勇 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (00356768)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 福祉工学・機器 / 導入評価 / 情報共有 / 安全 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに多くの福祉機器の研究開発が行われてきたが、社会への導入に至らなかった機器や、導入されても活用されなかった機器は少なくない。そこで本研究では、福祉機器開発を共創的プロセスととらえ、関係するステークホルダー間で共有すべき情報とは何か、それをどのように共有するかを明らかにすることを目的とする。 共有すべき情報の規範として、医療技術評価(HTA)フレームワークを分析し、情報のモデル化を行う。また情報の共有方法については、情報共有ツールの形で具体化する。 本研究の成果によって、福祉機器開発において多面的な視点からの評価が行われ、より実用性の高い福祉機器の実現に資すると期待される。
|
研究実績の概要 |
本研究では、福祉機器開発を共創的プロセスととらえ、関係するステークホルダー間で共有すべき情報とは何かを医療技術評価(HTA)のフレームワークを規範として明らかにするとともに、情報を共有するための手段として、情報共有ツールを開発することを目的とする。令和4年度は、特にHTAの中でも特に安全のドメインに着目し、国内の機器開発事業者並びに海外のステークホルダーを対象に聞き取り調査を行うとともに、ステークホルダー間での安全情報共有モデルの基礎的検討を行った。 <国内調査>国内の機器開発事業者に対して、安全に関する情報提供の方針について聞き取り調査を行った。安全に関する技術情報の提供は、ステークホルダーの属性によって詳細さの度合いを変えていることが示唆された。また、機械安全を評価する際には、対象とする機器のライフサイクル全体にわたって検討が必要であることが事例によって再確認できた。 <海外調査>デンマークのオールボー市及びオーフス市の福祉技術センターを対象に、福祉機器の評価を行う場面で実施している安全性の評価について調査を行った。福祉技術センターに展示されている福祉機器は、専門職による判定の結果、生活の向上に寄与すると認定された場合、市民に無償で貸与される。貸与される機器は自治体が購入する。いずれの自治体でも、介護現場に導入する機器の安全性に関しては、CEマークの取得が基準となっていることが確認できた。ただし、CEマークは上市される製品が対象であり、新たな技術開発の支援のフェーズでは、異なるフレームワークが用いられているとのことである。 <安全情報共有モデル>ステークホルダー間での安全情報共有モデルとして、チェックリスト形式のモデルについて検討した。情報共有に関与するステークホルダーを想定し、各ステークホルダーがどのような情報を提供し、どのような情報を受け取るかを列挙した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度は、機器の安全にフォーカスして、前年度に実施できなかった国内対象の聞き取り調査を実施するとともに、デンマークの2都市を対象として、海外調査を実施した。また、情報共有モデルの基礎的検討を行った。情報共有ツールプロトタイプの構築には至らなかったが、前述のモデルで情報の流れを整理しており、次年度に速やかにプロトタイプの構築に取り組む予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は以下の方策で取り組む。(1)前年度に検討した情報共有モデルに基づき、情報共有ツールプロトタイプを構築する。(2)構築した情報共有ツールプロトタイプの試用を行う。(3)試用の結果に基づき、情報共有モデル及び情報共有ツールの改良を行い、全体のまとめを行う。
|