研究課題/領域番号 |
21K12786
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
矢野 賢一 三重大学, 工学研究科, 教授 (90314088)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 義足 / 有限要素機械 / 福祉ロボット / 適用制御 / 運動機能低下 / 転倒防止 / サイボーグ義足 / 超高齢社会 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,疾患によって下肢を切断する高齢者が増加している.下肢切断者には義足を用いることにより自立した歩行を取り戻す可能性がある.しかしながら一方で,高齢下肢切断者の80%は義足を使用できないという現状がある.その要因の多くは運動機能の低下である.義足歩行は転倒の危険性を常に抱えており,特に高齢者の転倒は大けがや死亡事故に繋がってしまう.本研究では,健側の衰えを代償することを可能とする新たなサイボーグ義足を開発する.そのために健常な足の機能を解剖学的に明らかにし,切断者の意図を認識する新たな制御技術や小型軽量構造の開発に取り組む.
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研究成果の概要 |
現在のロボット義足には切断者個人の歩行特性が考慮されておらず,異常歩行や転倒に繋がってしまう危険性がある問題に対し,本研究ではUser-adaptive Robotic Prosthesisの考え方を歩行モデルに導入することで,使用者の歩行特性を学習し,歩容の変化に応じた遷移条件の適応を可能とする膝角度制御システムを開発した.最終的には,義足使用者を被験者とした臨床試験において,平地での歩行速度の変更や坂道下り歩行時における速度変化追随性や安定した歩容の確保を実現した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大腿切断者による臨床実験の結果,リアルタイムで検出した歩幅などの歩行パターンの変化に応じて屈曲角度を自動調整することで,下肢の挙動が安定したことを確認した.最終的には,提案システムを実装したサイボーグ義足を用いて,大腿切断者による歩行中の膝折れを模擬する実験を実施し,本提案システムの有効性を示した.本サイボーグ義足は大腿切断者に対する安全性を確保することで,大腿切断者の義足歩行獲得率の向上が期待される.最終的に,提案システムにより,大腿切断者に対する歩行安定性をより高いレベルで確保することが可能であり,下肢切断者のQOLやADLの向上への貢献が期待される.
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