研究課題/領域番号 |
21K12796
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
|
研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
幹 浩文 和歌山大学, システム工学部, 講師 (20403363)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 微細加工 / 圧電センサ / PVDF / 触覚 / 低侵襲 / MEMS / 材料特性 / 触覚センサ / 低侵襲治療 / 高感度・高分解能 / 小型 |
研究開始時の研究の概要 |
センサ構造材料に柔らかくて生体親和性・強い耐薬品性と引張強度を有し,力を受けると電気信号(電荷)を発生する圧電高分子PVDF (Polyvinylidene fluoride; (CH2-CF2)n) のフィルム素材(厚さ約0.1 mm)を用いる。微細加工技術を駆使してPVDF表面を直接微細加工することによって,触覚センサの従来研究におけるクロストーク課題を根本的に解決できると考える。課題の根本解決によって,腹腔鏡(内視鏡)手術やカテーテルを用いた低侵襲治療用医療器具先端に人間の指先と同等レベルの触覚機能を付与し,柔らかくて人間の指先同等の高感度・高空間分解能をもつ新しい構造のマイクロ触覚センサを実現する。
|
研究実績の概要 |
腹腔鏡(内視鏡)手術やカテーテルを用いた低侵襲治療用医療器具先端に人間の指先と同等レベルの触覚機能を付与し,柔らかくて人間の指先同等の高感度・高空間分解能をもつ新しい構造のマイクロ触覚センサを実現するためには、センサデバイスの構造設計段階でセンシング材料の微細加工特性に関する十分な知見が欠かせない。 2022年度は、デバイスの最適構造設計の具現化に必要な作製プロセスに圧電PVDFのウェットエッチング手法に注目し、DMA(C4H9NO)溶液を圧電PVDFのウェットエッチング用媒体に用いてセンシング材料の微細加工性の実験検証を行った。研究結果、エッチングマスクの開口ラインとg31方向との位置合わせ角度がエッチング後のデバイスセンシング部3次元構造に大きく影響することが分かった。エッチングマスクの開口ラインとg31方向との位置合わせ配置が高分解能を目的とするアレイセンサの素子間ピッチを決めるカギとなることが明らかになった。しかし、単結晶シリコンの微細加工とは違って、エッチング底面の形状が平坦ではなくドームに近い形になっているが、加工プロセス条件とDMA以外のエッチング液候補で再検証を行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りに研究を進め,新しい発見と課題の抽出ができ、また波及効果も期待できると想定できるので,おおむね順調に進展しているものと考える。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、昨年までの研究を通じて得られた実績と知見をもとに、センシング素子材料のエッチング液をDMA溶液に限定せずに幅広い対象を候補にして、これまでに抽出した課題の解決を図る。エッチング液には、薬品の化学性質をもとに、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの5種類を研究対象に検討する。必要に応じてはドライエッチング手法も導入する予定である。センシング材料の微細加工特性の解明が十分に進んだら、その結果から得られた知見をもとに、センサデバイスの具体的構造設計に進む。つづいて、設計に基づく試作品の作製に必要な加工プロセス設計と検証を行い、再現性と信頼性が保証できる安定した加工プロセス技術の確立を目指す。また、デバイスの試作品を作製し、センサの基本特性の評価を通じて、Cross-talkの振舞などのセンサ性能に関連する詳しい検証実験を行い,必要課題を抽出する。改良を通じて二次試作品を作製し,改良結果の検証実験と再現性確認を行い,高密度アレイ触覚センサに必要なさらなる課題を抽出し、目標の新しい触覚センサの実現を目指す。
|