研究課題/領域番号 |
21K12807
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
三秋 泰一 金沢大学, 保健学系, 研究協力員 (60251964)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 筋輝度 / 筋内脂肪含有率 / 大腿直筋 / 中間広筋 / 超音波設定感度 / 超音波 / 設定感度 / 筋厚 / 筋体積 / 超音波画像 / MRI画像 / 筋硬度 / 級内相関係数 / 羽状角 |
研究開始時の研究の概要 |
超音波画像から大腿四頭筋の筋厚、筋輝度、筋硬度、羽状角の測定信頼性を検討し、また、大腿直筋の筋厚および筋輝度の決定方法を検討する。検討した結果をもとに20~70歳台の健常人を対象として大腿四頭筋の筋厚、筋輝度、筋硬度、羽状角、身体特性(年齢、性別、身長、体重、大腿周径、大腿長)、最大膝伸展筋力を測定する。そして、最大膝伸展筋力を目的変数、筋厚、筋輝度、筋硬度、羽状角、身体特性を説明変数として重回帰分析を行い最大膝伸展筋力の推定式を作成する。
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研究実績の概要 |
相関係数は 2022年度に超音波装置の設定感度別に食肉の筋輝度(EI)と筋内脂肪含有率(FF)との相関係数を求め,感度70%でのみ有意な相関を示し,感度設定よって相関に違いがあることがわかった. そこで2023年度は,人を対象に設定感度の違いによるEIとFFの相関を検討した.参加者は20名(男:12名,女:8名)とした.超音波装置の設定感度は2022年度と同様に52%,61%,70%,82%,91%とし,MRIによるFFは,MRM-GRE法を用いて測定した.対象筋は,大腿直筋(RF)と中間広筋(VI)とし,超音波測定位置は大転子と大腿骨外側上顆を結んだ線分の中枢25%,50%,75%の3カ所とした.相関は,参加者全員を対象にした場合と男女別に行った場合とで検討した.結果は,参加者全員を対象とした場合,両筋のEIを平均したEIと両筋のFFを平均したFFとの間では,25%位置で感度70%における相関係数(r=0.49)が最も高かった.筋別での相関係数は,RFでは25%位置で感度70%において最も高い相関係数(r=0.80)を示したが,VIでは相関は示さなかった. 男女別にEIとFFとの間の相関を検討した結果,男性においては25%位置のすべての感度で有意な相関を認めたが,女性においてはどの感度も有意な相関を示さなかった.男性では平均したEIと平均したFFとの間の相関係数は,25%位置で感度70%において最も高かった(r=0.88).筋別における男性でのEIとFFとの間の相関係数は,RFでは25%位置で感度70%が最も高く(r=0.78),VIでは25%位置で感度61%が最も高く(r=0.79),25%位置で感度70%での相関係数は0.77であった. これらの結果より,男性でのEIとFFは25%位置で感度70%という条件が筋輝度を測定するうえで最も妥当な条件であることが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度の研究において,筋輝度(EI)と筋内脂肪含有率(FF)との間はやや低い相関であり,先行研究と比較しても相関係数は低かった.そこで超音波装置の感度の違い(設定感度:52%,61%,70%,82%,91%)によるEIとMRIを用いて測定したFFとの相関の違いを検討することが必要となった.そのため,筋の質的指標であるEIと筋の量的指標である筋厚を用いて膝伸筋の等尺性最大筋力の推定式を作成するための実験に着手することが遅れている.EIは,筋の安静度により影響されるため,一定の筋の状態のEIを測定するために2022年度は,食肉を使用して食肉のEIとFFとの相関係数を求めた.結果は,感度70%でのみ相関係数が0.53であり,有意な相関を認め,設定感度の違いによってFFとの相関が異なることがわかった.2023年度は,人を対象に食肉の実験と同様の方法で大腿直筋(RF)と中間広筋(VI)のEIとFFとの相関を検討した.また,2023年度は超音波測定部位の違いによる相関の違いも検討した.その結果,参加者全体で検討した場合も男女別で検討した場合も設定感度は70%の時が最も高い相関係数を示した.また,女性においてはすべての測定位置と設定感度の組み合わせで相関は認められなかった.測定位置は大転子と外側上顆を結ぶ線分の中枢25%の位置でのみ有意な相関を示した.これらの結果より,今後の筋輝度を測定する際の条件として,対象が男性の場合,超音波測定位置は大腿中枢より25%置,設定感度は70%で行うべきであることが示唆された.
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今後の研究の推進方策 |
2022年度,2023年度の研究の結果,筋輝度の測定を行う上では男性の場合,測定位置は大転子と外側上顆を結ぶ線分の中枢25%の位置,超音波装置の感度は70%で行うことが示唆された.したがって,2024年度には幅広い年齢層の男性を対象に大腿直筋と中間広筋の質的評価の指標である筋輝度と量的指標である筋厚を上記に示した超音波測定条件で測定する.また,膝伸筋の等尺性最大筋力を測定し,筋力を目的変数,筋輝度と筋厚に加え対象者の身体特性を説明変数として膝伸筋の等尺性最大筋力の推定式を作成することを目的に研究を行う.
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