研究課題/領域番号 |
21K12809
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西田 健太郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座講師 (70624229)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 人工視覚 / 網膜色素変性症 / 緑内障 / 糖尿病網膜症 |
研究開始時の研究の概要 |
網膜色素変性症で失明した患者に対して電極を埋植し、視覚を回復する人工視覚の研究が国内外で行われ、米国の人工視覚システムは、7年前にFDAに承認された。我が国でも視神経乳頭刺激型人工視覚(AV-DONE)と脈絡上経網膜電気刺激型人工視覚(STS)が開発され、後者は治験の段階である。人工視覚で用いる電気刺激による神経賦活化効果も期待できる。本研究では、低侵襲な電気刺激法や電気刺激法を開発し、視覚障害の原因の上位3つを占める根本治療のない緑内障、網膜色素変性症、糖尿病網膜症に対する人工視覚システムを用いた電気刺激療法及び視覚再建の可能性を検討する。
|
研究実績の概要 |
これまで、網膜色素変性症で失明した患者に対して、網膜、視神経や大脳に電極を埋植し、視覚を回復する人工視覚の研究が国内外で行われている。人工視覚では電気刺激により視覚を誘発させ視機能を向上させるが、人工視覚を埋植して通電した症例では、人工視覚システムを稼働させていないときの視機能が、埋植前と比べて上昇していることがよく経験される。これは、電気刺激自体に神経賦活化効果があるためである。 本研究の目的は、網膜刺激型(STS)及び視神経刺激型(AV-DONE)人工視覚による治療が視覚障害者の原因疾患の上位を占める緑内障、網膜色素変性症、糖尿病網膜症に対して、人工視覚で使用するより低侵襲な刺激電極の開発及び刺激法の開発を行うものである。 これまでに人工視覚の有効性を確認するためのEEP(STSでは、神経節細胞から大脳皮質視覚野までの視路の評価。AV-DONEでは、視神経から大脳皮質視覚野までの視路の評価)、VEP(視細胞から大脳皮質までの視路の評価)及びERG(網膜細胞の機能評価)を用いて視機能評価系を樹立した。また、慢性の脳波の観測系を作成し、長期にわたってVEPを評価することが可能となった。また、直径25μmの刺激電極を開発を行い有効性を確認している。 昨年度は諸事情で動物実験にまとまった時間を費やせなかったが、代わりに網膜色素変性症や糖尿病網膜症の重症度を客観的に評価できる評価系の検討を行った。また、これまでに行ってきた低侵襲な刺激電極の作成には不可欠な、刺激電極の表面加工について電気的な有用性、生理学的な有用性ついて論文化を行った。 今後は、低侵襲な刺激電極と干渉法を用いた刺激条件の最適化、および昨年度行った網膜色素変性症や糖尿病網膜症の重症度を客観的に評価できる評価系の検討も合わせて進める。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度は、昨年度よりは院内の業務が少ない役職となったものの、新型コロナウイルスの対応や人員の確保などにに率先して対応する必要があったため、実験に十分に時間を当てることが出来なかった。代わりに、網膜色素変性症や糖尿病網膜症の重症度を客観的に評価できる評価系の検討を行った。また、これまでに行ってきた低侵襲な刺激電極の作成には不可欠な、刺激電極の表面加工について電気的な有用性、生理学的な有用性ついて論文化を行った。その他、改修後の動物実験施設への機材の搬入などの手続きを進めた。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は、低侵襲な刺激電極と干渉法を用いた刺激条件の最適化、および昨年度行った網膜色素変性症や糖尿病網膜症の重症度を客観的に評価できる評価系の検討を行い、実用化を目指す。
|