研究課題/領域番号 |
21K12810
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
宮坂 智哉 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (10404758)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 階上への避難 / 避難器具 / 津波・水害 / 避難 / 自力避難困難者 / 垂直避難 / 建物階上 |
研究開始時の研究の概要 |
介助者2名により自力避難困難者1名が階上に避難する避難器具を開発し、その避難方法と避難時間を提示することを課題とする。避難器具モデルは人力で引き上げ、直接乗車も車いすに乗った状態で乗車も可能な仕様を検討している。避難行程を想定した実験系を設定し、モデルにダミーを乗せて階上への避難を試技とした実験を実施し、さらに安全性を確保した上で人を乗せた実験を実施する。実験結果、考察から階上への避難方法と避難時間を提示し、目標の達成度を判断する。
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研究実績の概要 |
介助者2名により自力避難困難者1名が階上に避難する避難器具を開発し、その避難方法と避難時間を提示することを課題とする。避難器具モデルは人力で引き上げ、直接乗車も車いすに乗った状態で乗車も可能な仕様を検討している。避難行程を想定した実験系を設定し、モデルにダミーを乗せて階上への避難を試技とした実験を実施し、さらに安全性を確保した上で人を乗せた実験を実施する。実験結果、考察から階上への避難方法と避難時間を提示し、目標の達成度を判断する。 高齢者施設の自力避難が困難な入所者と介助者を対象とし、津波、水害などで施設の階上に避難を余儀なくされた場合を想定し、限られた条件で自力避難が困難な入所者が介助を伴い建物内の上の階に避難する器具を開発し、その避難方法を検討する。施設の夜間勤務帯での津波、水害発生を想定し、介助者2名の人力により、自力避難が困難な入所者1名が階段から1つ上の階に1分以内で避難することを目標とする。 令和3年度は、避難器具モデル仕様を検討し、設計製作を委託する。予備実験を実施し、モデルによる実験条件に必要な知見を得る。予備実験は階段にスロープを設置し、標準型車椅子にダミー(重量50kg)を乗せ、介助者2名で引き上げる。対照として従来の避難用ストレッチャーによる引き上げ動作の実験を実施する。令和4年度は製作したモデルの性能を確認する。ダミーをモデルに乗せ、基本的な操作、移動を安全に実施可能か確認する。令和5年度は、実験の安全を確保した上で、20歳以上の健常被験者(体重50~60kg)を避難者として、実験を実施する。避難者は全介助を想定し、乗車前後の移乗方法を検討する。避難者には避難時の不安感や快適性などについて主観評価を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
避難器具モデル仕様を検討し、設計製作を委託した。予備実験を実施し、従来からある避難用ストレッチャーにダミー(重量50kg)を乗せ、介助者2名で引き上げた。大学内にある傾斜30°、12段、長さ3.5mの階段を使用した。介助者の引き上げ力(kN)、仕事量(J)、引き上げにかかる時間(s)を確認したところ、特に引き上げの力が弱い介助者が2名で引き上げたところ、ダミー重量の負荷で引き上げに1分以上の時間がかかった。以上から、車いす(標準型で約15kg)も含めた重量増加を考えると、介助者2名による引き上げは実用的な手段にはなりにくいと判断し、避難器具モデルは避難者のみを乗せる仕様とした。その上で設計製作を委託し、避難器具モデルの製作を完了した。以上のことから、当初の研究目標では車いす+避難者、避難者の2条件でも乗せることができるとしたものを、避難者を乗せると変更したこと、一方研究の1年目では避難器具モデルの仕様検討までのところ、製作を完了したことから、おおむね順調に進展しているとした。
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今後の研究の推進方策 |
<令和4年度> 2種類の実験を実施する。実験1では製作したモデルの性能を確認する。ダミーをモデルに直接乗せ、基本的な操作、移動を安全に実施可能か確認する。実験2は1階から階段踊場を経由して2階まで昇る行程で引き上げ動作実験を実施する。実験結果から目標とした避難時間を達成できるか、また同じ介助者による避難行程の繰り返し可能数を検討する。 <令和5年度> 実験1,2の結果、考察及び実験の安全を確保した上で、20歳以上の健常被験者(体重50~60kg)を避難者として、実験2と同条件の実験を実施する。避難者は全介助を想定し、乗車前後の移乗方法を検討する。避難者には避難時の不安感や快適性などについて主観評価を実施する。実験結果、考察から、設定した目標の達成度を判断し、介助者2名で1名の自力避難困難者が階上に避難する時間及び、同じ介助者による避難行程の繰り返し可能回数を提示する。
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