研究課題/領域番号 |
21K12811
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 東北工業大学 |
研究代表者 |
辛島 彰洋 東北工業大学, 工学部, 教授 (40374988)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 睡眠 / 睡眠-覚醒ステージ判定 / 簡易分析 / 呼吸 / ウェアラブルデバイス / 簡易睡眠モニタリング / 二酸化炭素 / 睡眠-覚醒ステージング / 寝室環境 |
研究開始時の研究の概要 |
睡眠の質が下がると認知機能や免疫機能などさまざまな身体機能が低下することから、日常的に睡眠ステージを把握することは重要と考えられている。睡眠ステージ判定で一般的に利用される生体信号(脳波や筋電図)と比較して、呼吸信号は簡便に測定できることから、呼吸信号を睡眠ステージ判定に利用する試みがいくつか報告されている。しかしながら、睡眠時の呼吸ダイナミクスには個人差があるため、睡眠ステージの判定精度は高くなかった。そこで本研究では、呼吸ダイナミクスに個人差が生じる原因を特定し、個人差を低減する手法を確立することにより、従来のものより高い精度で呼吸から睡眠ステージを判定する方法を開発する。
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研究実績の概要 |
睡眠の質が下がると認知機能や免疫機能などさまざまな身体機能が低下することから、日常的に睡眠ステージを把握することは重要と考えられている。睡眠ステージ判定で一般的に利用される脳波・筋電図と比較して、呼吸は簡便に測定できることから、呼吸信号を睡眠ステージ判定に利用する試みが過去に報告されている。しかしながら、睡眠時の呼吸ダイナミクスには個人差があり、睡眠ステージ判定精度は高くないことから判定方法としては普及していない。本研究では、呼吸ダイナミクスに個人差が生じる原因を特定し、個人差を低減する手法を確立することを目指している。 2023年度は、6人を対象として、仮眠時(昼寝時)の呼吸測定・ポリグラフ測定を新たに行った。さらに、5名を対象とした夜間睡眠時の測定も実施した。呼吸測定においては、昨年度から引き続き腹部呼吸運動を測定しただけでなく、気流測定および手首や腕部の呼吸運動の測定も追加で行った。この追加により、精度の高い呼吸情報が得られたとともに、簡易的に呼吸を測定する手法に関して検討できた。寝室環境が睡眠に与える影響を調べるために、被験者の寝室環境(室温、湿度、二酸化炭素濃度)の測定もあわせて行った。 寝室環境と睡眠との関係を長期間にわたって調べるために、手首に装着したウェアラブルデバイスを用いた活動量・呼吸測定および寝室環境の測定も行った。季節や気候による睡眠への影響を調べるために、連続した2か月間の記録を約半年のインターバルを経て2度行った。10名の測定を終了すでにし、2024年度には残りの2名の実験を行う。 これまで収集したデータに関して予備的な解析を実施した。その結果、手首に装着した測定器で記録した呼吸ダイナミクスからノンレム睡眠とレム睡眠を判別できることを示唆する結果が得られたので、日本睡眠学会等で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
夜間睡眠時の呼吸測定・ポリグラフ測定に関しては20人程度の被験者を対象にすると計画していたが、2023年度までに18名のデータを取得しており、残り2名となった。また、専用の脳波室での仮眠実験も20人程度の被験者を対象とする計画であったが、2023年度までに17人の測定が終わっている。さらに、元々は計画していなかった個人内の変動に注目した長期間(1人あたり4か月間)の呼吸簡易測定を現在行っている。 これまでの成果は、申請者または申請者の研究室の大学院生が、日本睡眠学会、電子情報通信学会MEとバイオサイバネティックス研究会などで発表を行った。この発表を行った大学院生は、電気学会優秀論文発表賞および電子情報通信学会東北支部学生優秀発表賞に選出されたことから、良い成果が出ていると考えられるので、(2)を選択した。
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今後の研究の推進方策 |
前述したように、計画していたデータのほとんどを取得できたので、残りの測定を計画的に行う。また、これまで取得してきた呼吸ダイナミクスや寝室環境を考慮した睡眠-覚醒判定モデルを作成中であり、その結果を本年7月に実施される日本睡眠学会において報告する。
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