研究課題/領域番号 |
21K12814
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
今西 里佳 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (90567190)
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研究分担者 |
中島 ともみ 藤田医科大学, 保健衛生学部, 講師 (40624333)
田中 浩二 群馬大学, 大学院保健学研究科, 准教授 (60613601)
松本 香好美 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 講師 (20586200)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 排泄改善 / 地域在住高齢者 / 転倒予防 / フレイル / 介護予防 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,地域在住高齢者の介護予防・転倒予防のため,各地域の通いの場で活動に参加している地域在住高齢者を対象に,体力測定や質問票調査を実施し,排泄に関連する転倒予防のための講話を行う.また講話による排泄症状改善の効果検証を行い,講話のみでは症状改善に至らなかった対象者には行動療法統合プログラムの個別介入を行い,科学的な評価方法で効果検証する.調査と介入検証により,地域在住高齢者向けの排泄改善プログラムをまとめる.
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研究実績の概要 |
高齢者におけるフレイル予防および介護予防は,我が国が直面している超高齢社会の喫緊の課題である.フレイルを示す老年症候群には尿失禁や便秘などの排泄症状が挙げられる.排泄症状の中でも夜間頻尿や過活動膀胱,切迫性尿失禁と転倒・転倒骨折は関連があると報告されており,転倒・転倒骨折はフレイル・サルコペニアと密接に関係していると考えられている.本研究は,フレイルと排泄症状,転倒や転倒に至る前段階の転倒インシデントとの関連を明らかにし,排泄に関連する転倒予防のために健康講話を実施して,行動療法による各症状改善の6か月後の効果検証を行うこと,また気候帯の異なる地域での差異を検証することを目的としている. 初回調査は,各地域の通いの場等で活動に参加している地域在住高齢者を対象として体力測定や質問票調査を実施後,排泄関連の転倒予防のための健康講話を行い,受講後に自宅にて行動療法に取り組んでいただいた.また6か月後には排泄症状や転倒インシデント調査および行動療法の取り組みを確認し,効果検証を行うためのフォローアップ調査も実施した.日本語版フレイル基準によるフレイル判定で,健常群とフレイル・プレフレイル群の2群に分けると,フレイル・プレフレイル群が約5割であった.フレイル・プレフレイル群では,サルコペニア有症率は2割,2回以上の夜間排尿回数は6割超,過活動膀胱は5割,尿失禁は約6割の割合で有していた.日中・夜間共に転倒インシデントの経験は約3割であった.一方健常群では,サルコペニア有症率は1割,2回以上の夜間排尿回数は5割超,過活動膀胱は3割超,尿失禁は約6割の割合で有していた.日中・夜間共に転倒インシデントの経験は約2割であった.6か月後のフォローアップでは,夜間排尿回数と尿意切迫感頻度は減少し,夜間頻尿および過活動膀胱有症率は減少した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本課題の対象は地域在住高齢者のため,2年目まで新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けてきた.密閉・密集・密接を避けるために高齢者に集まっていただけない状況が続いていたが,ようやく課題推進の阻害因子がなくなり,今年度より各機関の協力を得て課題を進めている状況である.また研究分担者の削減に伴い,本研究の推進のために研究分担者を追加した.
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルスの感染拡大が収束したため,各地域の機関や組織の協力を得て,調査対象者も研究協力者もリクルートを続け,体力測定・質問票調査・健康講話を気候帯が異なる地域で進め,効果検証および気候帯での差異をまとめる予定である.また,健康講話のみでは症状の改善に至らなかった対象者への個別介入研究も進めていく.
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