研究課題/領域番号 |
21K12841
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
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研究機関 | 和歌山工業高等専門学校 (2023) 大阪大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
椛島 雅弘 和歌山工業高等専門学校, 総合教育科, 助教 (90823807)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 中国兵学思想史 / 天文占 / 天人感応思想 / 兵陰陽 / 術数 / 『孫子』 / 鬼神 / 五星占 / 敦煌文献 / 馬王堆漢墓帛書 / 星占 |
研究開始時の研究の概要 |
中国兵学思想史において、占術に基づいた兵学思想は重要な位置を占めながらも、研究史ではその価値が低く見られ、研究対象となることも少なかった。本研究は、戦国時代から北宋に至る中国兵学思想史において、特に星占がどのような論理に基づいて成立したのか明らかにすることである。また、星占理論の変遷についても解明する。本研究の独自性は、「占術に基づいた兵学思想」という研究視点と、出土文献の活用という研究方法の二点である。本研究は、中国兵学思想史の実相解明に留まらず、道教文献・中国文学作品・日本の兵学・占術思想への影響関係を明らかにする上での足がかりとなるものである。
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研究実績の概要 |
当該年度は、昨年度にまとめた論考「中国兵学における五星占の理について」を加筆修正し、水口幹記編『東アジア的世界分析の方法―〈術数文化〉の可能性―』(文学通信、2024年)の一篇として発表することができた。 さらに、これまでの研究をまとめた書籍『術数からみた中国兵学思想史研究』(朋友書店、2024年)を刊行することができた。本書は、これまで『孫子』を中心とした人為に基づく研究中心であった中国兵学思想史研究に対し、占術・術数という新たな視点からのアプローチを行うものである。 本書は、序章と本章七篇から成り、大半が発表済みの論考を加筆修正したものとなるが、序章と第一章附篇は書き下ろしである。序章では、特に2000年以降の中国兵学思想史研究を整理・分析した後、残されている課題について言及し、本書で検討する内容について説明する。第一章附篇では、『隋書』経籍志・兵家に収録される兵書について、佚文を活用しながら、術数との関わりを検討する。 また、中国軍事における鬼神・廟の認識について、古代から宋代までの記述を検討しながら明らかにした。まず『左伝』の記述から、特に春秋時代の軍事において、祖先神としての鬼神や、鬼神を祀る廟が重要視され、勝敗を左右する存在だと認識されていた。一方、『孫子』『尉繚子』など先秦の時点で、鬼神が批判的に捉えられることも多かった。『太白陰経』など唐から北宋の兵書になると、基本的に否定的評価がなされた。また、『左伝』以降の鬼神自体の認識については、祖先神というよりは、厲鬼・神霊・神々といった捉え方がなされていた。そして廟も、占術的・信仰的な認識から、徐々に人為的な認識として定着していた。以上の成果は、「中国生活文化の思想史」班第10回研究会にて発表した。
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