研究課題/領域番号 |
21K12849
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01030:宗教学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
平岡 光太郎 同志社大学, 研究開発推進機構, 共同研究員 (00780404)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | マルティン・ブーバー / ダヴィッド・ベングリオン / ユダヤ思想 / 聖書解釈 / ユダヤ・ナショナリズム / 神権政治 |
研究開始時の研究の概要 |
現代ユダヤ・ナショナリズムとはどのようなものなのか。この問いに答えるため、現代ユダヤ思想における聖書解釈に着目し、民族、土地、国家の理解などを明らかにすることを目的とする。 具体的には、ユダヤ・ルネサンス運動の旗手役を担ったブーバーと、イスラエルの初代首相であったベングリオンによる聖書解釈を扱う。本研究を通じて、現代ユダヤ・ナショナリズムの内容とその特色を理解するための基盤を構築することを試みる。
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研究実績の概要 |
2022年は、4月~7月の期間中は、ベングリオンとブーバーによる聖書に関する論札を調査、分析した。この作業は、8月にエルサレムで実施されるThe Eighteenth World Congress of Jewish Studiesでの発表準備のためであり、2021年度より実施してきた研究成果をまとめるものでもあった。この準備を通じて、イスラエル国における問題について聖書やユダヤ教のメシアニズムを中心に考えるという点において、この二人は共通していることが明らかになった。他方、メシアニズムの思想における国家の位置づけが異なることも明確となった。つまり、ベングリオンにおいては、メシアニズムの枠組みの中で国家が重要な役割を果たすのに対し、ブーバーにとってより重要なのは神の王国であり、それは正義の実現による神権政治の現実化という装いをもつ。 2022年8月9日に、The Eighteenth World Congress of Jewish StudiesのModern Jewish Thought and Nationalismの部会で、研究を発表した("The Controversy about the Bible between David Ben-Gurion and Martin Buber")。Congress終了後から、9月8日まで、イスラエル国立図書館、ベングリオン・アーカイブのあるMidreshet Ben-Gurionに滞在して、資料を収集・分析を実施した。 2022年10月から2023年2月までは、上記の内容を『一神教学際研究18』(JISMOR)に投稿し、その修正に取り組んだ。 イスラエルにおいて、今日的な社会問題は現代政治の領域に留まらず、古代以来の聖書的な伝統文化と不可分に結びついている状況の一端を明らかにしたことに本研究の意義がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、新型コロナウィルス感染症の影響のため、前年度に実施できなかったイスラエルでの文献・資料収集と調査を遂行できた。またThe Eighteenth World Congress of Jewish Studiesでの発表を通し、ベングリオン研究を専門とする研究者たちと意見交換を実施し、ブーバーとベングリオンの立場の違いをより明確化することができた。上記の研究滞在を実施したことにより、2021年に発生した研究上の遅れを取り戻すことができた。 秋から年度末にかけて『一神教学際研究』(JISMOR)への論文を執筆したことにより、本研究の中間成果を示すことができた。このことも本研究が順調に進展していることの一端を示すものである。
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今後の研究の推進方策 |
1957年にブーバーとベングリオンのあいだでなされた論争は、本研究上における山場である。これについては、ある程度まとめることができたものの、未確認の次項がある。ベングリオンは本当にブーバーの主張を理解していなかったという点である。これを明らかにするためには、テルアビブにあるベングリオンの家の書庫を調べ、ブーバーの著作が存在しないか、もしあった場合、書きこみ等をしていないかを確認する必要がある。このほかにも1957年の論争に関わる内容にとりこぼしがないかも2023年度からの課題とする。 著しい円安の影響のため、イスラエルへの渡航・滞在費が想定よりも大きなものとなってしまっている状況がある。このため、2023年度は研究渡航を控え、2024年の夏に研究渡航を実施する予定である。 本研究の最終年度である2024年度は、ブーバー(d.1965)とベングリオン(d.1973)の晩年の聖書理解に焦点を当て、1957年の論争後、どのような展開があったかを明らかにすることを試みる。
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