研究課題/領域番号 |
21K12855
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
槙野 佳奈子 宇都宮大学, 国際学部, 助教 (40844808)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 科学普及活動 / 科学史 / 19世紀フランス文学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は19世紀フランスの科学普及活動家であるルイ・フィギエの著作を中心に分析し、当時流行していた心霊主義と、この人物との関係について考察するものである。 科学では説明が不可能である心霊主義に引き寄せられながらも、フィギエは科学の側の立場を生涯にわたって維持し続けた。この人物にとっての科学の認識を検証することで、今日の私たちがその枠組みの強固さを信じて疑わない「科学」の在り方についても再考する手がかりとする。
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研究実績の概要 |
本年度(2022年度)は「科学普及活動家ルイ・フィギエとフランスにおける心霊主義」として3年間の予定で進行している研究の2年目に該当する。 本研究は、19世紀フランスの科学普及活動家であるルイ・フィギエ(Louis Figuier)の著作を中心に分析し、当時の社会において流行していた心霊主義と、この人物との関係について考察するものである。 ルイ・フィギエは、当時のフランスにおいて、科学知識を大衆向けに分かりやすく伝える著作を多く出版し、人気を得ていた科学普及活動家である。フィギエにとっての科学とはいかなる存在であったのかを考察することで、私たちは日常生活の中で「科学」をいかに認識していくのかという問いについても、現代の視点から検証していくことを試みた。 本年度は特に、19世紀フランスでその発明が公式発表された写真技術とフィギエの関係を中心に考察した。 具体的には、19世紀の批評家たちが当時の写真の陽画技術についていかなる反応を示したのか検証した口頭発表を2件、実施した。また、フィギエが同時代の写真技術等を自らの著作の中でいかに紹介しているのかを考察した論文が2件、刊行された。この2件のうち、1件は文学のアプローチから執筆した論文であり、もう1件は科学史のアプローチから執筆した論文である。このように今年度は文学と科学史、両方の側面から同時に研究を進めることができた。さらに、これまでの研究成果として単著が1件、刊行された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
感染症の流行の影響により、今年度も海外調査はできなかったが、書籍として購入できる資料をできる限り収集して研究を進めることができた。口頭発表2件を実施することができ、査読付論文2件、単著1件が刊行された。
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今後の研究の推進方策 |
もし海外渡航が可能となれば現地での資料収集を実施する予定である。
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