研究課題/領域番号 |
21K12859
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 東洋英和女学院大学 |
研究代表者 |
堀川 敏寛 東洋英和女学院大学, 国際社会学部, 講師 (90748427)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ブーバー / ヘブライ語聖書解釈 / 『我と汝』 / 聖書解釈方法論 / 歴史批評 / 文学批評 / 対話的作用 / グリム童話 / ユダヤの聖書解釈 / 聖書解釈史 / 自己の問題 / フロイトの影響 / 聖書解釈 / 対話的解釈 / 共時性と通時性 / ライトヴォルト |
研究開始時の研究の概要 |
ブーバーによる聖書解釈の方法論は、ライトヴォルト様式という文学的アプローチ、傾向史的分析という歴史的アプローチ、行為遂行的・変化形成的な対話的アプローチによって構成されており、これらは聖書解釈における「共時性/通時性/外部性」ないしは「文学/歴史/対話」が総合された三次元構造を構成するものである。
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研究実績の概要 |
1. コロナ禍が開けたことによって、ドイツのブーバー学会に二度ほど出席することができ、研究課題に関する最新の動向を知ることができた。研究の動向のみならず、ドイツ語でのレクチャー聴講やディスカッションの機会を久々に持ち、研究への刺激と専門知識の獲得が可能となった。 2. ブーバーの最新研究に関するシンポジウムが京都ユダヤ思想学会で開かれたことにより、研究の最前線をまとめ、公表する機会を持つことができた。そこでは主著である「ブーバー『我と汝』テクストを読み直す」というテーマを設定し、ブーバーの思想を、徹底的に批判して、再解釈した。日本という文脈で、ブーバー研究のステレオタイプ史と彼の思想の中心的概念が対話ではなく関係性である点を発表することができた。 3. 『宗教研究』へ投稿した査読論文では、査読者の「厳しい審査により、更なる書き直しを要求され、ブーバーの思想史研究を根本から再評価することが可能となった。それによってブーバーが扱われてきた研究史とブーバー自身の研究の焦点との齟齬が解明された。具体的に、ブーバーは哲学を批判することから、彼が目指したものが、哲学的人間学である点を示した。 4. 2004年4月7日に開催されたドイツのブーバー学会でのプレゼンテーションをドイツ語で行う準備をした。ブーバーの聖書解釈に関するもので、それによって本科研課題をとおして進められている研究を、海外で公開する機会を与えられた。今回はヘブライ語聖書冒頭で描かれた人間の二重創造説解釈について、それがブーバー思想の二重性と根本的に繋がっている点を解釈した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
コロナ禍脱出による海外学会への参加、発表機会の創出が可能となった点と、国内でも二つの学会発表と論文投稿ができたため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画を進行させる。ドイツの学会への参加を継続させ、未だ実行できていないイスラエル国立図書館とニューヨークユダヤ歴史資料館での資料収集を試みたい。また年度末には成果報告ができそうな研究会を開催予定である。
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