研究課題/領域番号 |
21K12899
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小川 翔太 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (00800351)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | フィルムアーカイブ・映像アーカイブ / トランスナショナル映画 / コスモポリタニズム / アジア映画 / グローバル・アジア / 環太平洋研究 / インターメディア / ファウンドフッテージ / フィルムアーカイブ / 映像アーカイブ / 映画祭 / コスモポリたニズム / デジタルアーカイブ / 文化振興 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、映画・映像作品の収集、保存、再解釈を担うフィルムアーカイブ活動がグローバル化の力学でどのような変化を遂げ、矛盾や葛藤を抱えながらもコスモポリタンな「後世」に向けたフィルム・ヘリテージ(映画文化遺産)の継承をどのようにして模索してきたかをあきらかにすることを目的とする。近年日本、韓国、シンガポールに立ち現れた「アジア映画アーカイブ」なる国境を跨ぐ構想および実践の可能性と課題を比較検討する。事実上の移民社会である現代日本において世界市民意識(コスモポリタニズム)を捉え直す必要が高まる中、映像学の見地から、フィルムアーカイブ研究の方法論的枠組みで応じることも本研究の狙いである。
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研究実績の概要 |
前年度の「今後の研究の推進方策」に従い、神戸映画資料館、山形国際ドキュメンタリー映画祭、福岡フィルムアーカイブ、釜山国際映画祭ライブラリー、光州ACC実験映画コレクションの実地調査あるいは各館の上映企画の調査を行った。尚、研究分担者として参加する基礎研究B「産業史的視点による日本映画史の再構築」 (19H01226)ならびに基礎研究B「デジタル映像アーカイブの未来研究」(20H01219)が開く研究集会の場を借りて、上記の神戸映画資料館の調査の中途経過を発表して、フィードバックを得た。また、初年度の文献調査に基づく論文"`Zainichi Cinema' in a Global Frame: Apple TV+’s Pachinko (2022) and the Cosmopolitan Middlebrow"を国際学術誌に発表した(2023年2月)。 下記「現在までの達成度」で示すように出張回数・期間の制限は本課題期間中に解消されることはないため、研究作業と方法に修正を加えた。具体的には、「2.フィールドワーク・聞き取り調査」の比重を下げ、その分「1.文献資料の収集調査」を重点化する。「<アジアの映画>の収集、保存、解釈を担うフィルムアーカイブの構想と実践」と「コスモポリタンな受容空間や文化遺産を継承する「後世」」を研究の問いとすることは変わりないが、社会学的に各アーカイブ組織を調査する方法ではなく、映画・映像作品(ファウンドフッテージ/アーカイブ映画)をこれらのアーカイブを読解するフィルターとして分析する方法をとる。この方法について国際的なフィードバックを得るため論文「Decolonizing (through) Obsolete Media」を発表した(2022年9月)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度実施状況報告の通りCOVID-19パンデミックによる国内・国外移動制限と育児短時間勤務・育児休業の取得(R3.10.1-R4.3.31)による研究の休止により、2021年度の実地調査(フィールドワーク)や聞き取り調査の大部分と文献調査の半年分の作業を2022年度に持ち越した。2022年度は、こうした前年度から持ち越した研究作業にあて、韓国での実地調査(ソウル、釜山国際映画祭・光州ACC)を優先したため、当初2022年度の作業としていたシンガポールでの調査や保存と修復のワークショップでの調査は実行できなかった。 また、当研究課題開始以降の環境変化である育児に伴うモビリティの制限(出張回数・期間の制限)は本研究期間中解消される見込みがないため、出張回数・期間を減らし、国内外の実地調査が占める比重がより低い新たな研究方法を模索し、それに合わせて研究目的を調整する時間をとったことも研究遂行を遅らせた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の作業工程は、文献資料の収集調査、整理・分析、ならびに中間成果発表を次のスケジュールに沿って行う。 通年:映像アーカイブ、映画とコスモポリタニズムに関する学術書は、毎年新たに刊行されているため重要なものは随時入手する。 2023年4月〜6月:前年度の韓国における実地調査(KoFA、釜山国際映画祭、光州ACC)をもとに、上記「研究実績の概要」で示したファウンドフッテージ/アーカイブ映画をフィルターとして映像アーカイブの課題や可能性を考える新たな方法論を試行する中間成果を、国際日本文化研究センターの共同研究「労働と身体の大衆文化論 戦時下・戦後の接続の試論として」の分担執筆分の論文1編として執筆する。また、国際学会(Association for Asian Studies in Asia、6月24日)でこの論文に基づく内容の口述発表を行い、国内外研究者からフィードバックを得る。 7月〜9月:同様に、神戸資料館での実地調査をもとにした考察を、基礎研究B「デジタル映像アーカイブの未来研究」(20H01219)の分担執筆文の論文1編として執筆する。 10月〜2024年1月:映画祭で上映される復元フィルム(回顧上映)を事例に、助成団体、アーキヒスト、現像所の国境を超えた偶発的なつながりをあきらかにするため、山形国際ドキュメンタリー映画祭(10月上旬)ならびに東京国際映画祭(10月下旬)で実地調査を行い、関連する文献資料を分析する。 2月〜3月:同様に、復元フィルムを事例とした越境的なつながりをあきらかにするため、アジアン・フィルム・アーカイブ(シンガポール)で実地調査を行い、関連する文献資料を分析する。(上記の「現在までの進捗状況」を鑑みて、本研究課題は期間を一年間延長して、2024年度まで継続することを申請する予定である)
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