研究課題/領域番号 |
21K12902
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 跡見学園女子大学 |
研究代表者 |
横堀 応彦 跡見学園女子大学, マネジメント学部, 講師 (40732483)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ドイツ演劇 / スイス演劇 / ドイツ語圏スイス / ドラマトゥルギー / ドラマトゥルク / 創作プロセス / 舞台芸術 |
研究開始時の研究の概要 |
舞台芸術作品の研究では、テキストや上演など作品内部の分析が多く行われている一方で、作品創作を取り巻く外部の劇場環境が作品のドラマトゥルギーに与える影響に関する考察は十分に行われていない。このような問題意識に基づき、本研究は舞台芸術作品の創作プロセスの変化とドラマトゥルギーとの相関関係を解明することを目的とする。中でも従来レパートリー型劇場の存在感が強かったドイツ語圏スイスにおける劇場環境の変化について文献調査や実地調査を通して分析し、これまで日本の演劇研究で取り上げられる機会の少なかったドイツ語圏スイス演劇における新しい傾向を明らかにしたい。
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研究実績の概要 |
本研究は現在上演されている舞台芸術作品の創作プロセスの変化とドラマトゥルギーとの相関関係を解明するものであり、特に従来レパートリー型劇場の存在感が強かったドイツ語圏スイスを主たる研究対象とする。研究実施にあたっては(1)研究資料の整備、(2)実地調査の実施、(3)相関関係分析の3つの研究手法を用いる。 2022年度は本研究の調査段階として位置づけ、主に(2)実地調査の実施に取り組んだ。具体的には5月にウィーン、チューリッヒ、ベルリン、ハンブルクの4都市を訪問し、市原佐都子作演出『Madama Butterfly(蝶々夫人)』や岡田利規作演出『ドーナ(ッ)ツ』など日本人演出家がドイツ語圏で制作した作品を観劇し、その創作プロセスを調査した。また10月にはパリ、ケルン、ベネチア、ヴィチェンツァ、ウィーン、オスロの6都市を訪問し欧州における舞台芸術作品及び美術展の実地調査を行った。そのうちオスロ・ナショナルシアターで観劇した岡田利規作演出『部屋の中の鯨』については公演レビューを執筆し、チェルフィッチュのウェブサイト上に掲載された。相関関係分析については2004年から2023年の20年間にベルリン芸術祭テアタートレッフェンに選出された作品の調査を通して現代ドイツ語圏における演劇の傾向を分析した。上記内容に関して執筆した研究論文は2023年7月に刊行予定である。その他、東京芸術劇場が実施したドラマトゥルギー講座の報告書に講師を務めた立場からの文章を寄稿した。以上のとおり2022年度は実地調査を中心にドイツ語圏スイスを中心とする劇場環境の変化について分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は研究実績の概要で述べたように研究計画に沿ったドイツ語圏スイスを中心とする国内外の劇場およびフェスティバルの実地調査を行った。また昨年度に続き研究資料の整備も行い、相関関係分析については研究成果としての論文を執筆した。以上のとおり、全体的には概ね順調に進展しているものと考える。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗状況で述べたように本研究はおおむね順調に進展しており、2023年度も研究計画に沿った研究を継続する予定である。ドイツ語圏の劇場およびフェスティバルの実地調査についても早々に実施する予定である。具体的な研究内容としてはドイツ語圏スイスにおける劇場環境の基礎的研究を行うほか、研究対象とする演出家の作品分析を通して劇場環境の変化が作品のドラマトゥルギーに及ぼしている相関性の考察を進めていく。これらの研究成果については学会発表を行うことで国内の研究者と議論を行い、研究論文を執筆していく。
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