研究課題/領域番号 |
21K12903
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 國學院大學 (2022-2023) 青山学院大学 (2021) |
研究代表者 |
PAN Mengfei 國學院大學, 観光まちづくり学部, 助教 (40871231)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 場所 / 地図学 / 歴史学 / 近代 / 芸術実践 / コミュニティ研究 / 博物館学 / 社会学 / 上野 / 大磯 / 水辺 / マップ / 人文地理学 / 芸術学 / クリティカル・カルトグラフィー / 地図 / アート・ネットワーク / 移動 / 水辺空間 / 海浜地 / 近代日本 / 芸術社会学 / 不忍池 / 杭州西湖 / 近代アジア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、芸術社会学の視座を通じ、上野の「不忍池」と中国杭州の「西湖」の事例調査から、「場所」がいかに、「アート・ネットワーク」(芸術生産過程に参与する様々なひと、もの、グループ、組織と制度の間の関係性)形成に寄与しているかを明らかにする。芸術社会学、美術と文学を対象とした歴史研究、及び都市研究においては、場所と芸術生産の関係に注意が払われていない傾向がある。本研究は、欧米で発展してきた芸術社会学の理論と概念を用いて、「場所」の持つ意味の変遷を浮き彫りにする。「不忍池」と「西湖」を主な対象とし、欧米の事例も参照しながら、国際比較を通し、都市の水辺での文化芸術空間の東アジア的な特徴をも示す。
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研究成果の概要 |
本研究は、明治期東京上野周辺と、神奈川県大磯町を主要な対象として、「場所」と「アート・ネットワーク」形成の関係を検証した。書簡、日記、伝記、地誌、地図類、公文書を手がかりに、社会学と批判的地理学分野において練り上げられた「場所」概念を使い、「地図作成」という行為がいかに、コミュニティとアイデンティティ形成に寄与したかを明らかにした。また、東京帝室博物館新館建築設計競技をまつわる言説(1930年代)を再考察し、制度的な場所に対するさまざまな思惑を突きつめた。「地図」、「博物館」といった「近代」を代表する事物を再考することを通し、近代化過程の複雑性と、「芸術」の境界の曖昧性を提示することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
芸術社会学、美術と文学を対象とした歴史研究、及び都市研究においては、場所と芸術生産の関係に注意が払われていない傾向が指摘できる。本研究は、明治期から昭和前期にかけて、事例研究を通して、「ものづくり」、「場所づくり」、さらに自己とコミュニティの形成、三者間の関連性を裏付けた。抽象的かつ欧米中心の社会学の概念に具体的な事例分析、「近代」に関して無頓着な傾向を示す地理学の理論に歴史的な検証を付け加え、それらの概念と理論の精緻化を試みた。また、一元に語られやすい「近代」の複数形、抵抗的でオルターナティブな場所を発見した。地域づくり(まちづくり)へ批判的な視座と実践につながることも期待できる。
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