研究課題/領域番号 |
21K12908
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
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研究機関 | 広島大学 (2022) 京都大学 (2021) |
研究代表者 |
澤井 努 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (50769817)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 経験的生命倫理学 / 生命倫理学 / ELSI / メタ倫理学 / 幹細胞研究 / オルガノイド研究 / 事実と価値 / 社会科学 / 応用倫理学 |
研究開始時の研究の概要 |
2003年、生命倫理学の方法論的転換として「経験的転回」が提唱された。経験的生命倫理学とは、生命科学が提起する倫理問題に対して、「理論」(理論的な分析)と「経験」(経験的なデータを用いた分析)を統合することにより規範的な結論を導く学問分野である。本研究では、1)日本の視座を導入することで、欧米中心の経験的生命倫理学を相対的に捉え直し、多様な文脈に応用可能な方法論を構築し、2)その方法論を幹細胞研究が提起する倫理問題に応用することで、規範的な結論を導く。
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研究実績の概要 |
2003年、生命倫理学の方法論的転換として「経験的転回」が提唱された。経験的生命倫理学とは、生命科学・医療が提起する倫理問題に対して、「理論」(理論的な分析)と「経験」(経験的なデータを用いた分析)を統合することにより規範的な結論を導く学問分野である。なお、ここでいう規範的な結論は、哲学的にも妥当で、社会にも受け入れられるようなものを想定している。本研究は、1)日本の視座を導入することで、欧米中心の経験的生命倫理学を相対的に捉え直し、多様な文脈に応用可能な方法論を構築するとともに、2)その方法論を、例えば、幹細胞研究が提起する倫理問題に応用することで、規範的な結論を導くことを目的とするものである。 本年度は、これまで経験的生命倫理学の分野を牽引してきた中堅研究者の一人、マイケル・ダン氏(シンガポール国立大学)を広島大学に招聘し、経験的生命倫理学の意義と課題、さらに今後の当該分野の展望について集中的に討議した。また、前年度までの成果を基に、2022年12月上旬に、日本の市民約300名を対象にした幹細胞研究が提起する倫理問題に関するオンラインのアンケート調査を実施した。この調査結果について、本研究プロジェクトの研究協力者と、意見交換を重ねる中で、次年度に同成果を国際会議や国際誌で発表する準備を行った。さらに、ダン氏やその他海外の哲学者・倫理学者・社会(心理)学者とも連携しながら、同様の調査を海外で実施するための準備も進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は新型コロナウイルス感染症の状況が落ち着いたこともあり、経験的生命倫理学の分野を牽引している研究者を日本に招聘し、集中的に討議することができた。また、予定通り、国内の調査を実施するとともに、海外の調査に向けた準備も実施した。そのため、今年度の研究進捗については「(2)おおむね順調に進展している」と評価している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、1)今年度実施した調査について、国際会議や国際誌に発表するとともに、2)同様の調査を海外でも実施する。また、年度内にシンガポールや英国で活躍する経験生命倫理学の分野の研究者を訪問し、本調査の結果と意義・限界について集中的に議論する。それによって、申請者が目指す経験的生命倫理学の方法論の確立を目指す。
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