研究課題/領域番号 |
21K12919
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 青山学院大学 (2022) 名古屋市立大学 (2021) |
研究代表者 |
滝澤 みか 青山学院大学, 文学部, 准教授 (20778683)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 軍記物語 / 保元物語 / 平治物語 / 平家物語 / 注釈書 / 西道智 / 保元物語大全 / 平治物語大全 / 承久記 / 古注釈書 / 流布 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、歴史上起きたいくさを題材とする軍記物語の代表的な四作品の流布の過程の違いを、教訓・教育との関わり方を軸に検証し、その背景に歴史認識の相違があることを明らかにするものである。いくさ(戦争)を題材にした文学がどのように歴史を解釈して、教訓・教育と関係し、その後の物語の変遷に差異が生じたのかを分析することで、文学が歴史や教育を通して社会とどのように影響関係を持っていくのかを解明することを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、歴史上起きたいくさを題材とする軍記物語の代表的な四作品(『保元物語』『平治物語』『平家物語』『承久記』)の流布の過程の違いを、教訓・教育との関わり方を軸に検証していくものである。 本年度は「西道智著『保元物語大全』『平治物語大全』翻刻(一)」(「古典遺産71」2022.8)を発行するに至った。以降も掲載は続けていく予定であり、次年度も公開の目途がついている。上記の各作品の流布の過程を検証する中で、古注釈書の存在は作品の享受を捉えるにあたり重要な資料の一つと考え、まず『保元物語大全』『平治物語大全』の翻刻に着手した。翻刻の連載初回においては諸本調査の結果も報告として掲載している。調査を重ねた結果、丹波篠山市教育委員会青山歴史村所蔵の本は分量が他本に比べ多く、形態も本来の形を有している可能性が高いため、翻刻の底本としている。その他の本についても、兵庫県立篠山鳳鳴高等学校所蔵の本は刷りの良い美本であり、また酒田市立図書館光丘文庫所蔵の本は書き入れも見られることから、他諸本の特性も詳細に捉えていくことで、作品の享受の実態もより明確に把握出来るのではないかと考えている。 『保元物語大全』『平治物語大全』の著者である西道智という人物は他の軍記物語の注釈書も残しており、それらとの比較も行いつつ、資料の内部検証をした論文の成稿も進めている。また、各作品の読み込みや、他作品の注釈書の諸本調査も現在並行して行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各作品の読み込みや調査の計画も組んでいることに加え、注釈書の翻刻の発表を始めることが出来たため。既にこの先も継続して発表していく分の翻刻は概ね出来ている。計画の予定に前後はあるものの、概ね順調に進展しているものと判断した。
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今後の研究の推進方策 |
計画の予定が前後している部分があるため、本年度は『承久記』に関連した調査を重点的に行い、『太平記』の注釈書の調査も着手していきたい。
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