研究課題/領域番号 |
21K12937
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 久留米工業高等専門学校 |
研究代表者 |
鴨川 都美 久留米工業高等専門学校, 一般科目(文科系), 准教授 (20757546)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 村山知義 / プロレタリア演劇運動 / 自立演劇 / 商業演劇 / プロレタリア演劇 / 演劇運動史 / 東京左翼劇場 / 新協劇団 / 東京芸術座 |
研究開始時の研究の概要 |
美術、演劇、文学、映画、建築を横断的に奔走した村山知義(1901~1977)の研究は、全集が編纂されていないため、詳細な目録の作成が急務である。本研究は、1920年代後半のプロレタリア演劇隆盛期から1970年代までの一貫した労働者のための演劇運動を総括し、最終年度には『村山知義全著作・活動目録』としてまとめることを目的としている。 また、目録作成の過程で、①村山知義と新協劇団の1940年前後の朝鮮演劇との連帯を明らかにし、②研究が停滞している1945年以降の活動を調査、分析することで、日本の演劇史における村山知義の位置づけについて考察する。
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研究実績の概要 |
2022年度上半期については、新型コロナウイルス感染拡大による移動の制限は緩やかになったものの、感染の懸念は拭えなかったため、積極的な調査活動は満足に行えなかった。そこで、昨年度同様、予定を一部変更し、これまでに収集した著作物や資料の整理・データ化、目録の作成を中心に作業を進めた。 2022年8月頃からは長期休暇を利用し、早稲田大学坪内博士記念演劇博物館、国立国会図書館(東京本館、関西館)、大阪府立中央図書館こども資料室等へ赴いての調査を開始した。結果として、2022年度は、1950年までの調査が概ね完了し、著作物や資料をデータ化し、目録を作成した。引き続き、演出や舞台装置等の仕事の記録と併記した年譜を作成段階である(~1977年)。完成すれば、商業演劇の演出を行う傍ら、労働者を描き、資本主義の闇を浮き彫りにするという社会派演劇を創造するという二面性を照射する一助となると考える。 2022年7月末には、国際シンポジウム「吼えろアジア 東アジアのプロレタリア文学・芸術とその文化移転 1920-30年代」のセッション2「村山知義」で司会を務めた。1920年代を中心に、村山知義と中国、ドイツ、朝鮮との関わりを包括的に議論する場となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
村山知義の著作物や活動については、新聞、雑誌、劇団や組織のニュースを含めると膨大な数にのぼり、時代ごとに執筆可能な媒体をひとつひとつ拾い上げて、確認しなければならない。しかし、2022年度の上半期は移動の自主的な制限により、資料等の調査・収集が滞る事態となった。ただし、「研究実績の概要」で説明した通り、当初の予定に変更が生じたものの、8月以降は順調に調査を進め、1950年までの調査が概ね完了し、著作物や資料をデータ化し、目録を作成している。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、前年度に作成した目録を基に、残りの著作物や資料の調査・収集を行う予定である。訪問先としては早稲田大学坪内博士記念演劇博物館、国立国会図書館(東京本館、関西館)、公益財団法人松竹大谷図書館、日本近代文学館、神奈川県立近代文学館等を予定している。9月末までに1977年までの著作物や資料の調査・収集を終える。同時並行で、収集資料の整理、データ化、目録作成を中心に作業を進めていく。10月以降は目録に関する調査結果をまとめた論文を執筆予定である。また、村山知義の朝鮮総督府時代に関する資料等の調査を韓国・ソウルで実施する。
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