研究課題/領域番号 |
21K12943
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02020:中国文学関連
|
研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
FAN KEREN 神奈川大学, 外国語学部, 准教授 (80848044)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 李卓吾 / 戯曲 / 批評 / 容与堂 / 二刻五種伝奇 / 玉簪記 / 荊釵記 / 明珠記 / 繍襦記 / 三刻五種伝奇 / 浣紗記 / 金印記 / 香嚢記 / 鳴鳳記 / 錦箋記 / 西廂記 / 琵琶記 / 紅払記 / 幽閨記 / 玉合記 |
研究開始時の研究の概要 |
明の万暦年間の頃、杭州にある「容与堂」という書坊によって刊行された「李卓吾先生批評」の一連の戯曲や小説は後世の作品や批評家に多大な影響を与えた。しかし、各戯曲作品に見られる短評の数は作品によってばらつきが大きく、さらに、戯曲と小説の間にも短評の付し方に異同があるものの、体系的に考察する研究が十分になされてきていない。 本研究において、「李卓吾先生批評」を冠した戯曲作品に焦点をあて、各作品に見られる評語を重点的に考察・分析することによって、それらの評語の批評する部分、付け方、及び批評内容から窺われる評者の態度や視点を解明し、戯曲批評や作品の見方について新たな視点を提供することを試みる。
|
研究成果の概要 |
本研究は明の万暦年間の頃に刊行された「李卓吾先生批評」を冠した一連の戯曲作品における批評、とりわけこれらの作品に頻繁に使われている短評である「好」「妙」「画」の使い方や共通性の有無について、圏点の付け方や総評などと結び付けながら考察を行った。 その結果、「好」「妙」「画」及びこれらに関わりのある評語の作品・作品群ごとの使い方や共通性の有無がある程度明確化された。しかし、これらの評語の使用基準を精確に区別することはできないことが分かった。このことについて、版本問題や批評者問題の角度から推測を提示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
関連する従来の研究は、主に一部の作品の総評や総批から見られる「李卓吾」の作品に対する見解を分析し、版本もしくは批評者問題を論じることが多いが、「李卓吾批評」の特徴や性質を掴むには、未だ不十分である。 そこで、本研究は特に従来詳しく考察されていない短評を取り入れて細かく比較・分析することによって、これらの作品に高く評価されている内容の特徴、共通点の有無、そして批評者問題を新たな角度から検討した点で意義があると考える。また、研究対象となる作品には現在でも舞台や教科書に登場する名作が多々あるため、本研究はこれらの作品の明代における受容を理解する上で、一側面を提供できたかと考える。
|