研究課題/領域番号 |
21K12961
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
葛西 敬之 信州大学, 学術研究院人文科学系, 准教授 (80820951)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 文学 / ローベルト・ヴァルザー / リアリズム / フィクション / 新即物主義 / 言説分析 / 言語批判 / ディスクール分析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はローベルト・ヴァルザーの諸作品において「現実」と「虚構」がそれぞれどのような位置価を持っているかを明らかにするものである。本研究はヴァルザーのオートフィクション的ともいえる語り手と作家の「私」の関係性を、1920年代の、表現主義や新即物主義などの相反する潮流が綯い交ぜになった文学的言説分析を背景にしつつ論究する。
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研究成果の概要 |
本研究はローベルト・ヴァルザーの諸作品において「現実」と「虚構」がそれぞれどのような位置価を持っているかを明らかにするものである。ヴァルザーにおいてこの両者の要素が、同時代の言説に接しつつそこからイローニッシュに距離をとることでオリジナルな筆致へと至る背景やプロセスについて明らかにした。例えばそれは、『1926年の「日記」・断片』において、新即物主義的に現実を描こうとする試みが、次第に現実か虚構かの問題からそれらを書く行為自体の「現実」への変質の過程においても確認でき、ヴァルザーの特徴の一つとみなすことができるだろう。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヴァルザーの諸作品におけるこの「現実」と「虚構」の二つの要素は、これまでの先行研究において、その語り手と作家ヴァルザーとの関係をめぐって論じられてきた。本研究は既存の研究を踏まえ、これまでの研究で十分に扱われてこなかった第一次大戦期におけるスイスおよびドイツの文芸誌をとりまく状況や、その後の1920年代のノイエザッハリッヒカイトの流行といった背景のもとに、ヴァルザーの作品におけるこの二つの要素を分析した。
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