研究課題/領域番号 |
21K12964
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 奈良女子大学 (2023) 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2021) |
研究代表者 |
児玉 麻美 奈良女子大学, 人文科学系, 准教授 (10757628)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | ドイツ文学 / クリスティアン・ディートリヒ・グラッベ / 三月前期 / 悲喜劇 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、18世紀後半から題材として好まれた北方・ゲルマン的自然描写が、政治的・思想的な利用の対象へと転じていった時期が具体的にいつ頃なのか、その手法はどのようなものであったか、読者や観客といった受容者たちに対して実際にどの程度の影響やインパクトを与え得たかという問題について、劇作家クリスティアン・ディートリヒ・グラッベ(1801-36年)および同時代の作家たちによるテクストの比較を通じて明らかにすることを 目指す。
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研究成果の概要 |
愛国的作家として受容されてきたC. D. グラッベの劇作品における〈ドイツ的風景〉に注目し、時代ごとの変化を探った。彼の遺作『ヘルマンの戦い』の中では〈ドイツ性〉という概念の虚構性が暴露されているが、自然表象を用いた祖国愛の喚起に対する懐疑は、晩年の〈悲喜劇的なもの〉への関心とも緊密に結びついていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
〈若きドイツ〉〈ロマン派〉〈ビーダーマイアー〉といった多様な潮流が同時並行的に生じていた三月前期のドイツ語圏文学は、その全貌が非常に捉えがたく、また各事象と時代背景との関わりについて見通すことが困難であった。当研究は劇作家グラッベの全生涯にわたるテクストに分析を加え、ナチス政権期の受容やロマン派詩学との類似・相違などを明らかにすることにより、他の19世紀文献文化学研究において触れられることの少なかった部分に光を当て、さらなる議論のための補助線や手がかりを提供するものである。
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