研究課題/領域番号 |
21K12982
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中田 聡美 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 准教授 (80783183)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 現代中国語 / 〈禁止・制止〉表現 / モダリティ / 主観性 / 文法化 |
研究開始時の研究の概要 |
従来の研究では、現代中国語の〈禁止・制止〉表現というと“不要+VP”、“別+VP”が取り上げられることが多かったが、本研究では上述の形式のように“不要”や“別”そのものの語彙的意味によって〈禁止・制止〉を表すものではなく、本来〈禁止・制止〉の意味を持たない語によって形成される表現形式が、形式全体で〈禁止・制止〉の意味を表すものを研究対象としている。具体的には“不+VP”、“不帯+VP+的”、“不敢+VP”を研究対象として個別に考察を行い、これらの形式が〈禁止・制止〉表現として定着するに至ったメカニズムを主観化及び文法化の観点から明らかにする。
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研究実績の概要 |
2022年度は、2021年度に引き続き、〈禁止・制止〉の意味を持たない語によって形成される〈禁止・制止〉表現の一つである“不帯X的”について、モダリティ及び主観性・間主観性の観点から研究を行った。 2021年度の段階では、“不帯X的”を研究対象として考察を行い、“不帯X的”の表すモダリティを認識的モダリティと束縛的モダリティの2つに分類し、それぞれの構文義を明らかにした。その上で、研究成果を中国語の論文としてまとめ、《世界漢語教学》青年学者論壇(第8届)にて口頭発表を行った際に得られたコメントをもとに、2021年より論文の修正作業を開始し、2022年度も継続して修正作業を行った。コメントでの指摘により、当該形式を2つのモダリティに分けて考えていたが、他のモダリティも考える必要があることが明らかになり、論文に大幅な修正が必要となったため、論文の修正作業を2022年度中に完了することはできなかった。論文の修正は8割ほど終え、最終的な修正作業を行った後に、中国語母語話者による原稿チェックを受けて、投稿する前の段階まで進めることができた。 また〈禁止・制止〉としての“不敢VP”については、本来中国での言語調査を予定していたが、2022年度中に渡航することが難しかったため、小説などから用例を収集する方向へ切り替え、2022年度に用例収集を開始した。“不敢VP”の用例は方言的な要素が強く、用例を集めるのが容易ではないことから、まだ用例数は少ないが、この先も継続して収集する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本来“不帯X的”に関する研究は、2022年度中に論文修正を終え、投稿する予定であったが、論文に大幅な修正が必要となったため、2022年度中に作業を終えることができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、まず“不帯X的”の最終的な修正作業を行った後に、中国語母語話者による原稿チェックを受けて投稿する。“不敢VP”については、本来中国での言語調査を予定していたが、2022年度中に渡航することが難しかったため、小説などから用例を収集する方向へ切り替えた。この先も小説、コーパスなどから用例収集を継続して行っていく。2022年度は“不VP”に関する研究を進めることができなかったので、“不帯X的”の修正作業が終わり次第取りかかる。
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