研究課題/領域番号 |
21K12984
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
|
研究機関 | 北海道教育大学 (2022-2023) 高知大学 (2021) |
研究代表者 |
佐藤 亮輔 北海道教育大学, 教育学部, 講師 (60859685)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 複合語 / 複合名詞 / 複合動詞 / ラベル付けアルゴリズム / 統語的複合動詞 / 語彙的複合動詞 / 等位接続 / ラベル決定アルゴリズム / 前置詞 / 束縛 / 範疇素性共有 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、理論言語学(生成文法)の研究課題の1つとして、句の品詞(ラベル)決定の方法が議論されている。品詞(ラベル)決定の手段の1つとして、2つの句の素性を共有する方法がある。この素性として、一般に、人称・数・性素性の束であるφ素性を共有する方法が受け入れられている。しかし、この共有素性がφ素性でなければならない先験的理由はない。本研究では、共有素性として品詞情報(範疇素性)を用いることを提案する。その帰結として、日本語の複合語をはじめとした言語現象と日英語の違いに新たに原理的な説明を与える。
|
研究実績の概要 |
最終年度である2023年度には、Chomskyの最先端の枠組みを複合語研究に活かす方法を探るため、北海道理論言語学研究会第16回大会でChomsky (to appear)のレビューを行った。実際に、具体的に研究に活用するにはさらに検討していく必要があるが、最先端の理論のメリットとデメリットを明確化することができた。 また、2023年度の研究成果は「日本語の複合動詞と問い返し疑問文」(東海英語研究 第6巻)として公表した。これまで、複合動詞の研究は記述に重点が置かれていたように思われるが、本稿では語彙的複合動詞が等位構造を持つと提案することで、Transitivity Harmoney Principleに説明を与えた。また、複合動詞を用いた問い返し疑問文についての新たな事実を明らかにした。 研究期間全体を通しては、日本英文学会関西支部第16回大会で「前置詞倒置構文とラベル決定アルゴリズム」という題目で発表を行い、複合語とは直接は関係しない前置詞の分析を通して「名詞性」について考察した。複合動詞については、日本英文学会東北支部第77回大会では「ラベル付けアルゴリズムと日本語のVV複合語」という題目で発表を行い、日本語の複合動詞におけるTransitivity Harmoney Principleと問い返し疑問文について説明を与えた。この内容は、上記「日本語の複合動詞と問い返し疑問文」としてまとめられている。複合名詞についての研究成果は、「日本語の名詞語彙的複合語について」(Fortuna 第34巻)として公表済みである。
|