研究課題/領域番号 |
21K13010
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 関西外国語大学 |
研究代表者 |
宋 天鴻 関西外国語大学, 英語国際学部, 准教授 (00845480)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 紹興方言 / アスペクト / ダイクシス |
研究開始時の研究の概要 |
従来の研究では、中国紹興方言における「ダ(帯)/ドン(口に冬)/ハン(亨)」「レ(来)ダ/レ(来)ドン/レ(来)ハン」「哉」という三つの形式はそれぞれ「結果相」「進行相」「完結相」と認定されている。しかし、これらの形式にはアスペクトの範疇で捉えきれない用法も見受けられる。本研究では、「(レ)ダ/(レ)ドン/(レ)ハン」及び「哉」の意味機能について考察を行い、これらの形式が中国語のアスペクト体系においてどう位置付けられるかを明らかにすることを目的とする。また、距離説だけでは説明しきれない「ダ」「ドン」「ハン」の使い分けに関しては新たな基準を導入して考察を行い、ダイクシス研究への貢献を目指す。
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研究成果の概要 |
中国紹興方言では、結果持続と進行を表す表現は、「Vダ(帯)/ Vドン(口に冬)/ Vハン(亨)」、「レ(来)ダ/レ(来)ドン/レ(来)ハン」のように三体系に分かれている。「ダ」「ドン」「ハン」はそれぞれ存在事物が話し手の可触領域内、聞き手の可触領域内、話し手と聞き手の可触領域外に位置する場合に用いられる。そして、「ドン」は聞き手への配慮がコード化される間主観性の用法もある。文末助詞「哉」は新しい状況の出現済みを表し、具体的には「変化の実現」、「変化過程の出現済み」、「計画行為を実施する時の到来」などの用法を持つ。「哉」は相対的過去テンスを表し、パーフェクトマーカーである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、中国紹興方言のアスペクト表現「(レ)ダ/(レ)ドン/(レ)ハン」及び「哉」の意味機能を考察し、中国語の方言のアスペクト表現の類型論研究にデータを提供する一方、「ダ」「ドン」「ハン」の使い分けを考察することによってダイクシス研究への貢献を目指す。
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