研究課題/領域番号 |
21K13029
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02080:英語学関連
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
藏薗 和也 神戸学院大学, 人文学部, 講師 (10805302)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 起動動詞 / 補部にくる語の一般化 / 他動性 / 語彙の意味と形式との関係性 / 起動表現 / 動詞補部 / 語彙選択 / コロケーション / 語法研究 / 類義語の比較 / 動詞の補部 / nouniness / to be deletion |
研究開始時の研究の概要 |
現代英語における動詞の補部に関する研究を行っている。特に、類義語とされる動詞の補部を比較してみると、動詞ごとに補部にくる語の傾向が異なるという現象がみられる。 本研究では、起動動詞begin, start, come, getなどが補部に形容詞や名詞などを取る場合を例として挙げ、起動動詞それぞれの補部に生起する語のパターンの違いをThe British National Corpusなどの大規模汎用コーパスを用いて量的に示す試みを行う。また、起動動詞によって補部にくる語に違いが生じる現象がどのようなメカニズムで生じているかを語彙の意味の観点から解明することを目指している。
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研究実績の概要 |
次の点で、研究実績を積むことができた。まず初めに、start NPという起動表現がなぜほかの起動表現にない名詞句を補部にとることができるのかについて、従来のコーパスの量的調査のみならず、質的調査を行って、意味の観点から明らかにした。英語コーパス学会第48回大会における口頭発表において、The British National Corpusからの用例を援用しながら、start NPの補部にくる名詞句には、startが使役性の意味が強いことから起動後に自ら動いたり、進展していくものがくるのではないかということを実証的に示した。 次に、他動性という概念からヒントを得て、起動動詞startの持つ他動性の強さが補部にくる名詞句の違いに影響を与えているのではないかという主張をまとめて日本英文学会関西支部第17回大会にて口頭発表にて行い、フロアの先生方からレジスターの観点からさらなる分析が可能である旨のご助言をいただいた。 最後に、補部に形容詞がくるパタンの起動表現get, growの補部に関しての調査を行い、関西英語語法文法研究会にて発表を行った。英英学習辞書の記述を出発点に、Close(1975)などに見られる補部の形容詞の性質の分析等にみられる問題点を指摘し、コーパスに反例がみられることを示した。現在は、起動動詞come, get, growの補部にくる形容詞の性質の一般化に向けて考察を進めていき理論を詰めていくことに努めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
成果を論文として公表していくことができていないことが、やや遅れているとした大きな要因である。当年度の発表内容を論文として公表していけるように、最終年度は努めていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
海外学会への発表する機会を得られずにいるので、発表できる学会等を再検討することを急ぎたい。 また、【起動動詞+名詞】や【起動動詞+形容詞】から成る起動表現を包括的、串刺し的に比較分析するという研究の目標に立ち戻って調査を進め、研究会等で研究協力者からアドバイスを得ながらより良い内容の論文執筆に努めていきたい。
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