研究課題/領域番号 |
21K13030
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02080:英語学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
高木 留美 福岡大学, 公私立大学の部局等, 講師 (90783100)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 島 / 島の修復効果 / 音韻削除 / 統語違反 / 音韻的削除 / 関係節 / 当語的違反 / 統語的違反 / 失文法症 / 動詞句削除 / スルーシング / syntactic islands / ellipsis / deletion / island repair |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、島からの語句の移動が、省略により文法的結果を導く「島の修復効果」に焦点を当てる。特に、この島の修復効果について、二つの仮説を検証する。一つ目は、「実際に島違反が生じ、削除が統語違反を無効にする」という立場である。この仮説が正しければ統語論において、統語規則に違反する派生が許されることが示唆される。二つ目は、「島を越える違反はなく、反復される要素のみが削除される」という立場である。これが正しい場合、「連続する語句のみが削除対象となる」という統語論の一般的な認識を覆す結果を導く。本研究ではこの問題に対して、島及び島以外の統語違反の修復効果のデータも観察対象とし考察を行う。
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研究実績の概要 |
今年度は、データの収集およびデータの統語的観察を中心に研究を遂行した。 具体的には以下の通りである。 (a) 昨年度に引き続き、島の修復効果に関するデータの収集を行なった。また、更に島の修復効果の例を作成し、インフォーマントによる文判断も行った。島の例は難解な文構造になることが多いことから、インフォーマントにより文判断に差が出ることが多く、引き続きデータの収集が必要であることが分かった。 (b) 失文法症の省略データについては、あまり先行研究や文献を多く見つけることができなかったため、引き続きデータの収集が必要である。 (c) これまで収集したデータを考察し、仮説の検証(仮説A(統語違反が実際生じるが、音韻削除により違反が修復されている)と仮説B(統語違反を引き起こす移動はなく不連続な要素の削除が行われている))の検証を試みた。データをもとに更なる考察を行う必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
また、授業(準備)や育児に多くの時間を割いたため、計画通りにデータ収集や分析を行うことができずに、論文執筆や学会発表にも至ることはなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、以下の(a)-(C)を中心に行う。
(a) 引き続き、島の修復効果に関する先行文献を収集し、データや先行研究をまとめる。また必要に応じて、インフォーマントによる文判断も行う。 (b) 失文法症の省略データについてこれまでの先行研究や文献を収集し、残留要素の移動と省略データの容認度の間に相関関係が見られるかを観察する。 (C)仮説の検証を行い、研究成果を論文または学会や研究会等での発表を目指す。
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