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初期近代期イギリスの説教文における言語、コミュニティ、アイデンティティの関係

研究課題

研究課題/領域番号 21K13031
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分02080:英語学関連
研究機関熊本学園大学

研究代表者

矢冨 弘  熊本学園大学, 外国語学部, 講師 (50867843)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード英語史 / 社会言語学 / 文献学 / コーパス
研究開始時の研究の概要

本研究は初期近代期(16・17世紀)英国の宗教散文である説教文をテキストとして、英語の形態・統語的な言語ヴァリエーションと変化を記述する。宗教家の個人言語に焦点を当て体系的に観察することで、個人の言語使用がいかに進行中の言語変化に影響を与えるかを明らかにする。さらに、作者の言語選択とアイデンティティや所属コミュニティといった社会的要因の関係性を体系的に考察し、社会言語学的分析モデルを構築する。

研究実績の概要

2023年度は研究課題の3年目として、これまでの研究データをベースとした文献学的分析と社会言語学理論の応用を中心に取り組んだ。また、成果の一部を国際学会で発表した。
文献学的分析については、Lancelot AndrewesとJohn Donneの個人言語について、印刷本がどの程度研究資料として妥当であるかを検証した。この結果は、2023年7月に英国シェフィールドで開催された国際学会(22nd International Conference on English Historical Linguistics)で発表し、オーディエンスと意見交換をすることで、さらに議論を深めることができた。説教の印刷本を写本と比較することで、三人称単数語尾-th/sや二人称単数代名詞thou/youなどの言語変数において、印刷本においても著者の言語的選択が反映されていることを議論した。この成果の一部を論文としてまとめたものが、2024年6月に公開される見込みである。
社会言語学的分析については、近年の現代英語における第3世代社会言語学の理論を総合的にまとめ、自らの研究データに応用することができた。第3世代社会言語学では、個人を言語変異・変化をもたらす要因として捉え、個人のアイデンティティと言語使用、言語変化の関係性について議論されてきた。本研究が目指すような歴史的テキストやコンテキストへの応用は、これまで限定的であったが、既存の理論を歴史的なデータにも応用できるように議論を展開することができた。これに伴い、現在論文を執筆中で完成間近である。
2024年度には複数の論文執筆、単著執筆を目指しているが、2023年度はこれらの目標に不可欠な基盤的な研究を固めることができ、この点において有益な成果を上げることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2021年度および2022年度はコロナウィルス感染拡大の影響で学会発表が制限されてしまった。さらに、コロナウィルス感染拡大に関連して、当初予定していなかった業務が生じたこともあり十分な研究時間を確保できなかった。そのため、全体の研究の進行はやや遅れており、補助事業期間の1年の延長を申請し承認された。2023年度は研究を順調に進めることができたため、2024年度は研究の最終目標である単著の執筆に取り組む予定である。

今後の研究の推進方策

これまでの研究計画として、予定していた基本的な項目は達成することができた。今後は、これらの研究成果を論文・単著として出版することに注力したい。2023年6月に出版予定の論文が1点、現在執筆中で完成間近の論文が2点ある。これらの論文を完成させたのちに、研究の集大成となる単著の完成に取り掛かる。データや手法などはこれまでの研究成果で揃っているため、それらの研究成果を単著の形でまとめることに注力する。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022 2021 その他

すべて 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Early Modern English Printed Texts as Evidence for Idiolects2023

    • 著者名/発表者名
      Yadomi, Hiroshi
    • 学会等名
      22nd International Conference on English Historical Linguistics
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 社会との繋がりに重きを置いた英語史授業2023

    • 著者名/発表者名
      矢冨弘
    • 学会等名
      青山英語史研究会2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 英語史と歴史社会言語学の新潮流:言語変化における「個人」の役割2023

    • 著者名/発表者名
      矢冨 弘
    • 学会等名
      英語史フェス2023(khelf:慶應英語史フォーラム主催)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 初期近代期における個人言語の多様性:John DonneとLancelot Andrewesの形態・統語的要素の分析2022

    • 著者名/発表者名
      矢冨 弘
    • 学会等名
      近代英語協会第39回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 英語史と歴史社会言語学の教育現場での融合と実践2022

    • 著者名/発表者名
      矢冨 弘
    • 学会等名
      英語史研究会第31会大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] Language, identity and community: A sociolinguistic approach to language practice of Early Modern English preachers.2021

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Yadomi
    • 学会等名
      21st International Conference on English Historical Linguistics (ICEHL 21)
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 初期近代期説教文における二人称代名詞の語用論的分析2021

    • 著者名/発表者名
      矢冨 弘
    • 学会等名
      英語史研究会第30会大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] Variational Studies on Pronominal Forms in the History of English2022

    • 著者名/発表者名
      家入 葉子、矢冨 弘、David Selfe、Jeremy Smith
    • 総ページ数
      164
    • 出版者
      開拓社
    • ISBN
      9784758923835
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 熊本学園大学 研究者総覧

    • URL

      https://gyoseki.kumagaku.ac.jp/kksapp2.aspx?id=294

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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