研究課題/領域番号 |
21K13032
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
堀田 智子 東北大学, 国際文化研究科, GSICSフェロー (30732391)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 日本語学習者 / 語用論的能力 / 不同意表明 / 縦断的調査 / 言語環境 / 発達過程 / 不同意 / 第二言語習得 |
研究開始時の研究の概要 |
円滑なコミュニケーション実現のためには、状況に応じて適切な表現を使用する「語用論的能力」が求められる。特に、聞き手に対し異議を唱える、つまり「不同意」を示す場面では高度な語用論的能力が必要となるが、その習得は、社会的・文化的背景の異なる第二言語学習者にとって容易なことではない。 本研究では、国内在住の日本学習者を対象に、一定期間、会話調査を実施し、不同意表明にみられる言語的特徴の発達過程を解明する。また発達に関わる要因として、学習者をとりまく言語環境と心的態度の変容を探り、言語使用との関わりを多角的視座から考察する。さらに、研究成果をもとに、会話教材の開発を行う。
|
研究実績の概要 |
本研究は、不同意(disagreement)表明に焦点をあて、日本語を第二言語として学ぶ学習者の習得過程を明らかにすることを目的としている。縦断的調査を実施し、(1)言語的特徴(会話の展開や言語的ストラテジーなど)の変化、(2)学習者の言語環境と主観的態度が言語使用にどのように作用するのかを探る。 本年度は、予備調査(会話調査およびインタビュー調査)を実施した結果をもとに問題点の修正を行い、研究デザインを確立した。具体的には、まず、不同意表明を誘出するために課すタスクを検討するため、日本語学習者および日本語母語話者を対象に会話調査と質問紙、インタビュー調査を実施した。その結果から、交渉会話については、①問題解決型ディスカッション、②賛否両論型のディスカッション、③ほめ行為の3種類の会話を、交流会話については提示話題に基づく自由会話を選定し、合計4種類のタスクに決定した。次に、10ヶ月間の調査期間中に行う3回のタスクが日本語学習者にとって同等の難易度となるように、話題および調査方法の再検討を行った。 上記のうち、賛否両論型ディスカッションと自由会話については、抽象度や専門度を勘案し、前者は社会に関わる内容を含む話題に、後者は身の回りの話題に決定した。方法に関しては、日本語母語話者の使用実態に基づく語彙リストを作成し、学習者に提示することとした。日本語学習者を対象とする調査結果からその有効性を検証した結果については、第60回日本語教育方法研究会においてポスター発表を行い、関連領域の研究者からフィードバックを受けた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は、予備調査を行い、研究デザインの確立ができた。また、研究成果の一部を発表した日本語教育方法研究会では、関連領域の研究者から有益なコメントを得ることができた。しかし、2022年度に予定していた日本母語話者同士の会話調査が実施できず、データの収集が行えなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度は、本調査を開始し、データの整理を行いながら、分析作業を行う。具体的には、以下のように予定している。(1)日本語母語話者を対象に、ペア会話を行い、ベースライン・データとする。(2)日本語学習者については、①日本語母語話者とのペア会話、②口頭運用能力テスト、③質問紙調査、④インタビュー調査の4種類を行う。 (3)上記(1)(2)で収集したデータは、随時、入力作業を行う。 (4)分析結果の一部については、関連分野の専門家からのフィードバックを得るため、日本語教育学会、語用論学会、第二言語習得研究会等において発表を行い、日本語教育関係者への成果の還元を図る。
|