研究課題/領域番号 |
21K13035
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 早稲田大学 (2022-2023) 東京大学 (2021) |
研究代表者 |
大久保 雅子 早稲田大学, 日本語教育研究センター, 准教授(任期付) (80835611)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 日本語教育 / 日本語音声教育 / e-learning / 日本語音韻習得 / 聴取練習 / 自律学習 / ブレンディッド・ラーニング / 音声教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本語の音韻聞き取り練習用e-learning教材を開発し、その効果を検証するものである。中国語母語話者、韓国語母語話者、ベトナム語母語話者を対象とする。 本研究で取り上げる音韻は、「無声・有声破裂音」、「ナ行音・ラ行音・ダ行音」、「ザ行音・ジャ行音・ヤ行音」である。開発するe-learning教材の使用データから効果検証を行い、音韻習得過程を明らかにする。また、学習者がどのように自律学習を行ったのかを明らかにし、e-learning教材を使用したブレンディッド・ラーニングの方法を提案する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は以下の二点である。(1)e-learning教材の学習者使用データから、学習者の聴取混同傾向および音韻習得過程を明らかにする。(2)学習者の自律学習の実態を明らかにし、e-learning教材を使用したブレンディッド・ラーニングの効果的な方法を提案する。なお、本研究のe-learning教材では、①無声・有声破裂音、②ナ行音・ラ行音・ダ行音、③ザ行音・ジャ行音・ヤ行音の音韻を取り上げ、研究を行っている。 2023年度は、以下の調査、分析を行った。 1.本研究の調査協力者として中国語母語話者10名がe-learning教材①を使用して聴取練習を行い、e-learning教材の機能の一つである「振り返り」を記入した。10回分の「振り返り」データを質的に分析した結果、学習者が聴取練習を通して自己モニターを働かせ、聴取困難な音韻や日本語母語話者の発音等に関する様々な気づきを得ていることが明らかになった。本調査結果から、教育現場において、教師による学習者への様々なモデル音声の提供、自律学習における気づきの確認、聴取練習の継続に対する支援が重要であることが示唆された。 2.本研究の調査協力者として韓国語母語話者4名がe-learning教材①および③を使用して聴取練習を行った。e-learning教材の使用データを分析した結果、学習者によってe-learning教材の活用方法は異なっており、その方法が学習者の自己モニター力向上の有無に関係している可能性が示された。また、聴取練習が発音にも効果的な影響を与えていることも示唆された。さらに、ベトナム語母語話者のために開発したe-learning③は、韓国人母語話者にも効果的な聴取練習となることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
韓国語母語話者を対象として日本語を指導している教師に協力を仰ぐことができたため、現在の研究を発展させ、2023年度に本e-learning教材を使用して聴取練習を行った学習者にどのような変容があったのかを検討することができた。これにより、より具体的にブレンディッド・ラーニングの効果的な方法を提案することが可能となった。 また、2022年度に行った研究の成果を、ベトナムおよび国内で開催された学会で発表することができた。さらに、2023年度に行った研究の成果を本年度中に香港で開催された学会で発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
学習者の音韻習得をより促すことができるようe-learning教材の改修を行う。また、e-learningサイトに副教材として動画教材を加え、学習者の音韻に対する意識化がより進むよう工夫を施し、運用調査を行う予定である。
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