研究課題/領域番号 |
21K13038
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
米澤 千昌 大阪教育大学, 教育学部, 講師 (60880622)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 日本語指導方法 / 自己表現 / 二言語能力 / 対話 / 複言語・複文化環境で育つ子ども / 日本語支援方法 / 教科学習言語能力 / 対話型アセスメント / 言語発達 / 支援方法 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、学びにおける対話の重要性が指摘されており、複言語・複文化環境で育つ子どもたちの学びを支えるためには、子どもたちが自分の意見を伝える力を獲得することが必要であると考える。 本研究は自分の意見を伝える力、つまり産出技能に着目する。①対話型アセスメントを用いて子どもたちの二言語能力調査を行い、「話す力」「書く力」を、母語や他の言語技能の力との関係の中で捉える横断調査、さらに②言語能力の発達を、支援内容や支援時の子どもたちの様子の変化とともに捉える縦断調査、この2つの調査を行うことで、子どもたちの成長、学びを支える言語能力の発達の実態と、その育成に効果的な支援のあり方を探ることを目指す。
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研究実績の概要 |
子どもの複数言語の力の発達を探るため、昨年度に引き続き、「外国人児童生徒のための対話型アセスメントDLA」(文部科学省2014)を用いて、小学校2校(A校、B校)で、計21名の児童を対象に、日本語、および母語での二言語能力の測定、評価を行った。21名のうち11名が新規の児童、10名が昨年度から継続してアセスメントを実施している児童である。アセスメントの音声データは、順次、文字起こし作業(母語のアセスメントについては、文字起こしに加えて翻訳)を進めた。 A校では、DLA実施後、日本語指導担当教員にアセスメントの評価のフィードバックを行い、その中で、子どもが抱える課題や、子どもができるようになった点、教員が感じている不安や悩みなどを話し合い、子どもに合った支援方法の相談、提案を行った。昨年度と比較して自己表現に対する積極性が著しく増し、日本語での発話や作文の力が伸びた児童2名に焦点を当て、支援方法や支援時に見られた子どもの変化等について、日本語指導担当教員にインタビューを行ったり、実際の支援の様子を見学したりし、支援の特徴を探るためのデータ収集を行った。 B校では、DLA実施前後に、日本語指導担当教員に子どもの学校での様子や日本語教室での取り組みに関する簡単なインタビューを実施した。また、複言語・複文化の子どもへの教育に対する学校全体の意識改革を目指し、学校の教員全員を対象に、複言語・複文化環境で育つ子どもの教育に関する研修を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アセスメントデータは着実に数が集まっており、支援方法についてのインタビュー、参与観察などのデータ収集もほぼ予定通り進んでいる。データの量的分析にはまだ着手できておらず、その点でやや遅れていると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
継続してDLAによるアセスメントデータの収集、および現場での参与観察、日本語指導担当教員へのインタビュー調査を行う。すでに収集したデータについては、まず質的データの分析を行い、学会での発表、および論文投稿を目指す。量的データについては、分析できる形でデータ整理を進めていく。 フィールド校との信頼関係を維持するためにも、アセスメント結果のフィードバックや、支援方法についての助言、研修の実施なども引き続き行う。
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